大統領選とEU加盟の国民投票を控えるモルドバ、「親ロシア派が13万人以上を買収」と発表

 旧ソ連構成国モルドバの警察は3日、今月20日に行われる大統領選と欧州連合(EU)加盟の賛否を問う国民投票に向け、モルドバの親露派勢力が人口約260万人の約5%にあたる13万人以上を買収していたと発表した。ロイター通信などが報じた。ロシアから送られた資金で、親露派候補への投票とEU加盟反対を働きかけていたとみられる。

 米政治専門紙ポリティコ欧州版によると、この1か月だけでロシアの銀行から1500万ドル(約22億円)以上がモルドバの有権者らの口座に送金されたことが確認された。ロシアに亡命した親露派政党創設者のイラン・ショル氏が関与しているほか、ロシアからモルドバ国内の複数の協力者に指示が出されているという。

 ショル氏は9月末、通信アプリ「テレグラム」で、登録するだけで500レイ(約4200円)、自身の選挙区でEU加盟反対が多数で、親露派候補が当選した場合に5000レイ(約4万2000円)が支払われるとするキャンペーンを投稿しており、この運動が拡散しているとみられる。

 大統領選にはEU加盟を推進する親欧米派の現職マイア・サンドゥ氏の他、親露派候補が出馬する。モルドバにはロシア語を話すロシア系住民も多く、親欧米派と親露派が激しく対立している。

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