イスラエル軍がヒズボラ最高指導者・ナスララ師を空爆で殺害…地上侵攻の可能性も示唆、緊張高まる

テレビ演説するナスララ師(4月8日)=AP

 【エルサレム=笹子美奈子】イスラエル軍は28日、レバノンの首都ベイルート南郊のイスラム教シーア派組織ヒズボラ本部を空爆し、ヒズボラの指導者ハッサン・ナスララ師を殺害したと発表した。ヒズボラも声明で死亡を認めた。組織トップの殺害により、ヒズボラの後ろ盾のイランや、反イスラエル武装勢力による報復攻撃が懸念され、中東地域の緊張がいっそう高まった。

 イスラエル軍の発表によると、空爆は27日、ベイルート南郊の人口過密地帯で、住宅ビル地下のヒズボラ本部を標的に行われ、地下にいたナスララ師を殺害した。長期間、慎重に準備した上で遂行したという。レバノン保健省によると、少なくとも6人が死亡、91人が負傷した。

 イスラエル軍のヘルツィ・ハレビ参謀総長は28日、ナスララ師殺害の発表後、ビデオ声明で「これで終わりではない。次の段階への準備を進めている」と述べ、地上侵攻の可能性も示唆した。

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