モネの作品が43億円で落札…英競売大手が香港でオークション、中国の超富裕層ターゲット

 【香港=鈴木隆弘】英競売大手クリスティーズは26日夜、香港内で移転したアジア太平洋地域の新本部で初めてのオークションを開いた。新本部では年間を通してオークションを行う計画で、中国の超富裕層に狙いを定めている。

26日、香港のクリスティーズ新本部で行われた初オークション。モネの作品が高値で落札された=鈴木隆弘撮影

 新本部は香港中心部の高層ビルに入り、面積を従来より増やしてギャラリーも常設した。初オークションでは、印象派の巨匠・モネ(1840~1926年)の作品が2億3337万香港ドル(約43億円)で落札され、会場から歓声が上がった。

 アジア太平洋地域責任者のフランシス・ベリン氏は20日のオープン式典で「アジア全体での成長を支える大きな一歩だ」と語っている。

 中国の民間調査研究機関の調査では、中国では資産1億元(約20億円)以上の超富裕層は昨年、13・3万世帯で前年より3・8%減ったが、景気減速に伴う資金力への影響は超富裕層では限定的との見方がある。香港では競売大手が事業を広げており、英フィリップスは昨年、新しい本部を開き、米サザビーズも今年7月、新店舗をオープンさせた。

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