日本人男児刺殺された深圳は「中国のシリコンバレー」 トヨタや富士通など日系企業も進出

日本人学校に通う男児(10)の刺殺事件が発生した中国の広東省深圳は、「中国のシリコンバレー」と呼ばれ、世界有数のスタートアップ(新興企業)の拠点として知られる。1980年に経済特区に指定され、外国企業の投資を積極的に受け入れ急成長し、日系企業もトヨタや富士通などが進出している。

深圳は中国南部に位置する港湾都市で、香港の対岸に位置する。かつては小さな漁村だったが、故鄧小平氏が主導した改革・開放路線で、国際都市へと発展。中国では北京、上海に次ぐ第3の都市として知られる。

中国を代表する世界企業、通信機器メーカー「ファーウェイ(華為技術)」や、大手テクノロジー企業「テンセント(騰訊)」の本社も深圳にあり、中国経済を牽引するビジネス都市だ。

日系企業も電子部品産業を中心に進出している。富士通は2009年、「富士通信息系統(深圳)有限公司」を設立したほか、トヨタ自動車も2020年、中国の自動車メーカー「BYD(比亜迪)」との合弁会社を深圳に置いた。また空調機メーカーのダイキン工業は、中国4主要工場の一つが深圳にあり、2019年には研究拠点「ダイキンオープンイノベーションラボ深圳」を設置した。

深圳の在留邦人は、2023年10月時点で、約3600人と中国本土では5番目に多い。深圳日本商工会によると、会員数は2024年9月現在、372社の1156人にのぼる。

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