米、フィリピン防衛支援を継続 中国の「危険行為」批判 国防相が電話会談

【ワシントン=坂本一之】米国防総省は26日、オースティン国防長官とフィリピンのテオドロ国防相が同日に電話会談したと発表した。オースティン氏は、南シナ海アユンギン礁で中国の妨害行為によりフィリピン軍兵士が重傷を負ったことについて、「危険行為だ」と中国を批判し、フィリピンへの防衛支援を継続する考えを伝えた。南シナ海で高圧的な海洋進出を図る中国を牽制(けんせい)した形だ。

両国防相は、国際法に基づく航行や飛行の自由を維持する重要性を確認。南シナ海で領有権を争うフィリピンなどに軍事的圧力を強める中国に対抗していく姿勢を示した。

また情報共有の強化やフィリピン軍の能力向上、米軍の戦力態勢の拡充などを通し米比同盟を強化していくことで一致した。日本やオーストラリアなどを念頭に「同志国との協力」を重視していくことも確認し、重層的な枠組みで対中抑止力を強化していく方針だ。

オースティン氏は、フィリピン防衛に対する米国のコミットメントは「揺るぎない」とするバイデン米政権の立場を改めて伝えた。

ジャンルで探す