日本人母子切り付け、上海総領事が蘇州市長に申し入れ 情報共有や安全確保を要求

【北京=三塚聖平】中国東部、江蘇省蘇州市で日本人の母子が切り付けられて負傷した事件を受け、赤松秀一・駐上海日本総領事は25日、呉慶文・蘇州市長と面会して事件について申し入れを行った。上海総領事館によると、赤松氏は「このような事案が発生したことは極めて遺憾」と表明し、事件の背景を含む詳細情報の迅速な共有や、蘇州日本人学校周辺における警備強化などを強く求めた。

日本側によると、呉氏は事件について「蘇州市としても極めて遺憾」と表明。「初歩的な捜査の過程では偶発的事件であるとみている」との認識を示した。その上で、日本人学校を含む邦人社会の安全確保の強化、徹底を指示したと明らかにした。関連情報が判明次第、日本側に迅速に共有すると説明したという。

赤松氏は、被害に遭った日本人と中国人を見舞った。上海総領事館は24日から現地に担当者を送り、事実関係の確認や関係者への支援を行っている。

現地の警察発表などによると、事件は24日午後4時(日本時間同5時)ごろに起きた。母子は蘇州のバス停で日本人学校のスクールバスを待っていたところ、男に刃物で襲われた。母子は病院に搬送されたが、命に別条はない。現場にいたスクールバスの案内係の中国人女性も切り付けられて重体という。

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