露軍、ウクライナ東部で前進加速 米支援到着前に攻勢強化か 英米機関が分析

ロシアによるウクライナ侵略で、英国防省は26日、最前線の一つである東部ドネツク州アブデーフカ西方で、過去1週間に露軍の前進が加速していると指摘した。米シンクタンク「戦争研究所」も25日、露軍がアブデーフカ北西で攻勢を強化していると報告。同州全域の制圧を狙う露軍が、米軍事支援の再開でウクライナ軍が戦力を回復させる前に、可能な限り占領地域を広げようとしているもようだと分析した。

アブデーフカはロシアの実効支配下にある州都ドネツク市の近郊に位置し、露軍が2月に制圧。露軍の主な狙いは、アブデーフカ周辺からウクライナ軍を遠ざけてドネツク市の安全を高めることだとみられている。

戦争研究所はまた、露軍がアブデーフカ方面とは別に、戦略的により重要な同州バフムト西方の小都市チャソフヤルの制圧を狙って攻勢も強化していると指摘した。露軍はチャソフヤルを制圧することで、ウクライナ側が保持する同州の重要都市クラマトルスクやスラビャンスク方面への前進ルートを確保したい思惑だとみられている。

ウクライナメディアによると、ウクライナ軍はチャソフヤルへの露軍の進軍を防ぐため周辺で防衛戦を展開。だが、ウクライナ軍は火力で露軍に劣っている上、露軍の激しい空爆にもさらされており、厳しい戦闘を強いられているという。

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