イランがイスラエルへ弾道ミサイル=「ハマス、ヒズボラ攻撃の報復」―約180発、4月の2倍規模

【エルサレム、ワシントン時事】イランは1日、弾道ミサイル約180発を敵対するイスラエルに向けて発射した。大半が迎撃され、イスラエル国内で死傷者の情報はない。イラン精鋭軍事組織「革命防衛隊」は声明で、イスラエルが報復すれば反撃すると警告。両国の本格的な軍事衝突に発展しかねず、中東情勢は緊迫の度を増した。
イスラエル軍のハレビ参謀総長は「代償を払わせる時を選び、われわれの驚くべき攻撃力を示す」と報復を宣言した。
イランの首都テヘランでは7月、同国が支援するパレスチナのイスラム組織ハマスの最高指導者ハニヤ氏が暗殺された。イスラエルの犯行とみられる。イスラエルは先月27日には、同じくイランが後ろ盾となっているレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者ナスララ師を空爆で殺害。革命防衛隊は、ミサイル攻撃は一連の指導者殺害への報復だと主張した。
サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は1日、イランの攻撃は「阻止され、無駄に終わった」と強調。対抗措置をイスラエルと協議する考えを示した。国防総省のライダー報道官によると、中東地域に展開する米海軍の駆逐艦2隻が迎撃に加わったという。
イランは4月、イスラエルの在シリア・イラン大使館空爆で革命防衛隊司令官らが死亡したことへの報復として、イスラエルに初めてミサイルやドローンで直接攻撃を実施。その後、イスラエルがイラン領内へ反撃する応酬となった。ライダー氏は、今回イランから発射された弾道ミサイル攻撃の規模は4月の約2倍だったと説明した。

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