パキスタン首都で大規模デモ 元首相派と治安部隊が衝突、6人死亡
パキスタンの首都イスラマバードで26日、汚職などの罪で収監中のイムラン・カーン元首相の釈放を求める支持者らが、中心部に向かってデモ行進し、治安部隊と衝突した。地元テレビGeoによると、少なくとも6人が死亡した。
カーン氏は首相だった2022年、軍部と対立した末、議会による不信任決議を受けて失職。汚職など150以上の罪で訴追され、収監された。カーン氏側は「政治弾圧だ」と主張している。デモはカーン氏の妻らが呼びかけ、議会や大統領府などがある首都中枢部に向かって全土から集結。AP通信によると、治安当局はデモ隊が1万1千人規模とみているが、カーン氏側は、はるかに多いとの見方を示している。
パキスタンにはベラルーシのルカシェンコ大統領が25日から3日間の予定で訪問中。政府側はデモ隊の進入を阻止するため、首都に通じる高速道路や幹線道路にコンテナを並べて交通を遮断。軍を出動させ、外出禁止令を出した。催涙弾を発砲する治安部隊に対し、デモ隊は投石で抵抗。Geoによると、暴走した車が治安部隊の4人をはねて死亡させたという。
政府側はデモ隊に中枢部ではない別の場所で集会を開くよう説得しているが、群衆は26日午前の時点で中枢部まで数キロに迫っており、行進を強行した場合、さらに混乱が広がるのは必至だ。(バンコク=武石英史郎)
11/26 17:48
朝日新聞社