「ただ、生きていたいだけ」 分断深まる米国に生きる移民たち

越境者向けのシェルターで暮らす、メキシコ経由で米国に入ったギニア人のバリーさん。ボランティア団体が配布する食料が生きる糧だ=2024年10月27日、米ニューヨーク、藤原伸雄撮影

 トランプ前大統領の勝利に終わった米大統領選。移民政策は大きな争点になったが、市民たちの意見は様々だ。

 ペンシルベニア州のエリック・リファートさん(28)は、「犯罪を防ぐため、不法移民を強制退去させるべきだ」と話す。一方、ニューヨークにある越境者を支援するボランティア団体で働くアン・シールズさん(64)は、「トランプ氏だってルーツは米国ではなく、家系は移民だ。米国は移民の国なのに、なぜ寛容になれないのか」と憤る。

 再選を果たしたトランプ氏は、就任初日に国境を閉鎖し、「史上最大の強制送還」を実施すると宣言している。母国の治安悪化から逃れ、昨秋にメキシコ経由で米国に入ったギニア人のバリーさん(22)は「正直、米国の政治はわからない。仕事をして、お金をもらって、普通の生活がしたい。ただ、生きたいだけです」と嘆いた。(写真・文 藤原伸雄)

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