ゼレンスキー氏、北朝鮮兵戦闘参加を初めて明言 「すでに犠牲者も」

ブダペストで2024年11月7日、欧州政治共同体の首脳会議に出席後、会見で話すウクライナのゼレンスキー大統領=AP

 ウクライナのゼレンスキー大統領は7日、ウクライナ軍が越境作戦を展開するロシア南西部クルスク州で、北朝鮮兵の一部がロシア軍側で戦闘に参加し、すでに犠牲者が出ていると述べた。ゼレンスキー氏が北朝鮮兵の戦闘参加を公に認めたのはこれが初めて。

 ブダペストで欧州政治共同体の首脳会議に出席後、会見で語った。ゼレンスキー氏によると、同州にいる北朝鮮兵は1万1千人。「彼らの一部はすでにウクライナ軍に対する戦闘作戦に参加し、すでに犠牲者も出ている」とした。ただ、詳細は明らかにしなかった。

 ゼレンスキー氏はこれまで、北朝鮮兵の派遣に対する米欧の対応が不十分だと批判してきた。会見でも「政治的圧力と、相応の兵器(を使った攻撃)がロシアに適用されない限り、次の段階はもっと大規模な北朝鮮兵の投入になる」と指摘した。

 ゼレンスキー氏はこの日、英国のスターマー首相、フランスのマクロン大統領、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長らと相次いで会談。前日にトランプ前大統領の勝利が確実となったなか、ウクライナ支援の強化などについて話し合ったという。(キーウ=藤原学思)

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