「北朝鮮兵と初戦闘、世界の不安定に新たなページ」 ゼレンスキー氏
ウクライナのゼレンスキー大統領は5日夜のビデオ演説で「北朝鮮兵との初めての戦闘は、世界の不安定に新たなページを開くことになる」と述べた。
ただ、ロシアに派遣されている北朝鮮兵がすでにウクライナ軍との戦闘に加わったのかは明言していない。これまでに動画や写真は公表されておらず、米欧の支援国も現時点では北朝鮮兵の戦闘参加に言及していない。
一方、米紙ニューヨーク・タイムズは5日、ウクライナ軍が越境作戦を展開するロシア南西部クルスク州で、同軍と北朝鮮兵が初めて衝突したと報じた。米国とウクライナの高官1人ずつの話だとし、米高官が「かなりの数の北朝鮮兵が死亡した」と語ったとしている。交戦は限定的な規模で、ウクライナ側戦線の弱点を探る目的だった可能性があるという。
ウクライナのウメロウ国防相は5日、韓国のKBSテレビに対し、北朝鮮兵とウクライナ軍の間で「小規模な」交戦があったと確認している。本格的な参戦は避けられない情勢だ。
2022年2月に始まったロシアによるウクライナへの全面侵攻で、両国以外の国の兵士が前線に展開して本格的な戦闘行為に投入されたことが確認されれば、初めての事態となる。戦争は新たな局面に入ることになり、米欧の対応が焦点となる。
ゼレンスキー氏は演説で、北朝鮮兵がロシアに派遣されたことに触れ、ウクライナの防衛のために軍事面などの支援をしてきた米欧諸国に謝意を示した。また、「テロは十分な対策がなければ、ウイルスのように広がる」と強調した。
11/06 06:13
朝日新聞社