通算2期目に突入のトランプ氏、中台が注視 台湾問題「学んだはず」
5日に投開票された米大統領選で当選を決めたトランプ氏が率いる次期政権にとって、台湾問題への対応も重要な課題となる。米国の姿勢が与える影響は甚大なだけに、中台の関係者も動向を注視している模様だ。
「台米のパートナーシップが引き続き地域安定の基礎となり、双方の全ての人びとにさらなる経済的繁栄をもたらすと確信している」
トランプ氏の勝利宣言からまもない6日午後7時過ぎ(台湾時間)、台湾の頼清徳(ライチントー)総統はX(旧ツイッター)にこうしたコメントを投稿。総統府や外交部(外務省)、与党の民進党も相次いで祝意を表明した。
中国の圧力にさらされる台湾の安全保障にとって対米関係は核心中の核心で、台湾側は歴代米政権との関係構築に苦心してきた。今回は4年ぶりの政権交代だが、「現在、米国の台湾支持の姿勢は党派を超えて一致している」(台湾の政権関係者)との受け止めだ。
ただ、トランプ氏は選挙戦中、「台湾は米国に防衛費を支払うべきだ」「台湾はわれわれの半導体ビジネスを奪った」などの発言を繰り返してきた。台湾に対しても新たな要求があるかもしれず、政権関係者には「我々もさらなる努力が求められる可能性がある。まずは人事をみる必要がある」と不透明さからの不安感もある。
一方、中国外務省の毛寧副報道局長は7日の定例会見でトランプ氏の台湾関連の発言について問われ、「台湾問題は中米関係の最も敏感な話題だ。米台のいかなる形の公式の往来にも断固として反対する」と釘を刺した。専門家からは台湾問題をめぐってもトランプ氏の動きが読めないことを警戒する声が上がる一方、「前回の任期で、台湾問題では軽はずみな行動を慎むことを学んだはず」と「理解」に期待する見方もある。
■中国は警戒と期待も(台北=高田正幸、北京=斎藤徳彦)
11/08 06:00
朝日新聞社