インターポール、人身売買めぐり世界規模の捜査主導 2500人逮捕
国際刑事警察機構(インターポール、本部・仏リヨン)は6日、加盟国の警察当局と連携して9月下旬に人身売買に対する過去最大規模の取り締まり作戦を実施したと発表した。世界中で2500人以上の容疑者を逮捕し、人身売買の被害に遭った可能性のある3千人以上を救出したという。
インターポールによると、9月29日から10月4日にかけて実施した取り締まり作戦には116の国と地域が参加し、アルゼンチン、セネガル、フィリピン、北マケドニアに作戦本部が設置された。各国の警察当局は人身売買や不法移民の経路になっている国境地帯などの監視を強化し、組織犯罪グループの拠点に強制捜査に入った。
フィリピンでは、中国人を中心に250人以上が国際ロマンス詐欺のオンラインによる犯行を強要させられていた倉庫に警察が立ち入ったという。アフリカのマリではトーゴ人の女性らがマルチ商法に関与させられていたほか、アルゼンチンでは未成年を含む人身売買の被害者が農場で働かされていたという。
期間中の参加国での逮捕者は計2517人に上り、このうち850人は人身売買や不法移民の手助けにかかわった疑いがあるケースだった。人身売買の被害者の可能性があるとして救出された人は3200人を超え、約1万8千人が不法移民として特定されたという。
11/07 12:00
朝日新聞社