韓国「国軍の日」に米爆撃機飛来 北朝鮮反発、高まる核実験の可能性

北朝鮮

 韓国の「国軍の日」の1日、ソウル近郊で開かれた記念式典の会場上空に、米軍の戦略爆撃機B1Bが飛来した。北朝鮮は強く反発しており、朝鮮半島の緊張が再び高まりつつある。専門家の間では、11月の米大統領選の前後に、北朝鮮が2017年9月以来となる7回目の核実験に踏み切るのではないか、との指摘が出ている。

 大量の兵器が搭載可能で、北朝鮮の主要施設を精密に攻撃できるとされるB1Bは、北朝鮮が最も恐れる爆撃機だといわれる。北朝鮮の国防次官は1日、B1Bが飛来する前の段階で「米国本土の安全に重大な懸念を与える新たな方式が当然現れるべきだ」と対抗措置を示唆する談話を朝鮮中央通信を通して発表した。

 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記は9月、核兵器の原料を製造するウラン濃縮施設を視察した。これらの行動を受ける形で、韓国政府高官は、米大統領選の前後に北朝鮮が核実験を行う可能性は「十分にある」との見方を示している。

 公安調査庁で長年、北朝鮮の動向を分析してきた坂井隆さんも「これまで以上に核実験を強行する可能性が高い」と指摘する。(箱田哲也)

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