「台湾より南シナ海で衝突のリスク大」 専門家ら、米中関係巡り討論

南シナ海のサビナ礁(中国名・仙賓礁)付近の海域で2024年8月31日、中国の沿岸警備隊の船がフィリピン沿岸警備隊の船と衝突する様子。フィリピン沿岸警備隊提供=AP

 中国軍部は12~14日、各国の防衛当局者や学者らによる安全保障対話「香山フォーラム」を北京で開いた。米中対立が深まるなか、中国側は対米関係を重視する姿勢をにじませた。各国からは、南シナ海で緊張が高まる現状を危惧する声が相次いであがった。

 2006年に始まったこのフォーラムは、今回が11回目。名前は紅葉で有名な北京郊外の香山のふもとで第1回が開かれたことにちなむ。100を超える国や国際機関から参加があり、イスラエルやウクライナの関係者も発言した。中国側には、米欧中心ではない独自のプラットフォームで、国内や途上国など向けの発信を強める狙いがある。

 米中関係をテーマとした13日の分科会では、多くの登壇者が衝突の懸念は「台湾よりも南シナ海の方が大きい」との見方を示した。

 米ランド研究所のデレク・グロスマン上級防衛分析員は、全体として米中の直接衝突の可能性は「極めて低い」とした上で、「南シナ海で可能性がより大きいのは明らかだ」と指摘した。

■中国軍関係者「フィリピン首脳に伝えて」

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