北朝鮮、「超大型弾頭」ミサイルの発射成功と発表 韓国軍は「欺瞞」

朝鮮労働党中央委員会総会(6月28日~7月1日)で演説する金正恩総書記。朝鮮中央通信が2日配信した=朝鮮通信

 北朝鮮の朝鮮中央通信は2日、同国のミサイル総局が新型戦術弾道ミサイルを1日に試験発射し「成功した」と報じた。4.5トン級の超大型弾頭を搭載できるという。韓国軍は2日、「欺瞞(ぎまん)の可能性」があるとして報道を疑問視する見解を示した。

 同通信によると、1日の試射は模擬弾頭を使って行われた。最大射程500キロメートルと最小射程90キロメートルでの飛行の安定性や命中の正確性の確認が目的だった、という。命中精度や爆発の威力を確認するため、7月中にまた射程250キロの試験発射を実施するとも予告した。

 韓国軍は1日に北朝鮮が弾道ミサイル2発を発射したと発表。同通信の報道はこのミサイルを指すとみられる。韓国軍によると、1日午前5時過ぎに北朝鮮南西部から北東に2発が発射された。

 韓国軍は、1発目が短距離弾道ミサイルで約600キロ飛行したが、約120キロ飛んだ2発目は失敗した可能性があると分析していた。朝鮮中央通信の報道について韓国軍は2日、「欺瞞の可能性」があると説明。2発目は「平壌に近い、民家がない地域」に落下したとの見方も示した。

 南北間では6月26日に北朝鮮が発射した弾道ミサイルをめぐっても、北朝鮮側が成功したと主張する一方、韓国軍は「失敗」とみて食い違いを見せている。

 一方、韓国の陸軍は2日、南北軍事境界線から5キロ以内に位置する射撃場で、6年ぶりに地上射撃訓練を実施した。韓国政府が6月、軍事境界線付近で敵対行為をしないことを定めた軍事合意の効力を全面停止したことを受けたもの。今後も定例的に実施していく予定だとしている。(ソウル=稲田清英)

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