北朝鮮で不動産「ボロ物件投資」が人気

北朝鮮では土地も住宅もすべて国の所有となっている。個人は国から居住権を得て家に住むが、この居住権を取引する形で、不動産市場が形成されている。

法に触れる行為であり、時々取り締まりも行われている。だが、根絶されることはない。

国は、住宅建設の予算をトンジュ(金主、ニューリッチ)からの投資で集め、その見返りとして住宅を与える。トンジュはそれを転売することで利益を得る。つまり、国自らが法を破っているのも同然なのだ。

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一方、住宅の中には非常に数が少ないものの、れっきとした個人所有の住宅が存在する。これは、北朝鮮は社会主義改造の完成を宣言した1958年以前から個人が所有していたもので、土地は国の所有だが、上モノは個人の所有や売買が認められている。

このような個人住宅の人気が最近高まっている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は、道内最大都市の清津(チョンジン)市内の中心部にある個人住宅の人気が高まっていると伝えた。

これらの建物に目をつけたのがトンジュだ。昨年から不動産取り引きへの取り締まりが強化され、売買が難しくなった。だが、個人住宅はその対象外だ。そこで、トンジュは ボロくなった古い個人住宅を安く買い取って、家を建て替えたりリモデリングしたりする。自分自身が居住するが、資金が必要になったら売り払うこともできる。

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別の情報筋によると、建て替えられた家はまるで宮殿のようで、多くの市民は指を咥えて見ている。現在の市内中心部に当たる清津駅前の地域や、商業の中心である水南(スナム)市場周辺の家の人気が特に高い。利便性が高いだけあって値段は張るが、その分儲けも大きい。

現在、水南2洞の個人住宅があったところに、高い生け垣に囲まれ、大きな玄関のある豪邸が建設中だが、元々は南郷洞(ナミャンドン)の3万ドル(約473万円)のマンションに住んでいた人が入居予定だとのことだ。

金正恩総書記は、地方経済の活性化、インフラ整備などに力を入れているが、情報筋によると、清津市内で住宅建設はほとんど行われておらず、常に住宅が不足し、不動産価格は上昇し続けている。一般庶民は小さなボロ家ですら手に入れられないのに、富裕層は合法的に豪邸を手に入れている。

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ちなみに個人住宅の売買は、裁判所に書類を提出して所有者が変わったとの証明をするだけで終わる。また、元々あった家を取り壊して立て直す行為は、関連部署にワイロを渡し、設計と建設の承認を得られれば問題なく行えるとのことだ。

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