YouTubeでサムネイルをエロ画像にすることで「著作権侵害による削除を回避」するチャンネルが出現

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YouTubeには著作権保護コンテンツの検出システムがあり、海賊版コンテンツをアップロードして何度も警告を受けたチャンネルは削除されます。しかし、これではせっかく海賊版コンテンツを再生させることで発生した収益が手に入らないため、サムネイルやヘッダーをポルノ画像にして、「YouTubeに著作権侵害ではない形でアカウントを停止させる」ことで収益確保を狙うチャンネルが出現したことが報じられています。
Porn Uploads: A Shield for Copyright Infringement Penalties on YouTube? * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/porn-uploads-a-shield-for-copyright-infringement-penalties-on-youtube-241117/

YouTubeでサムネイルをエロ画像にすることで「著作権侵害による削除を回避」するチャンネルが出現 - 画像


YouTubeには、著作権所有者から送信された音声ファイルと映像ファイルのデータベースをもとに、著作権で保護されたコンテンツと一致するものを自動的に特定する「Content ID」という仕組みが導入されています。基本は機械的に処理するため、過去にはYouTubeでの配信中に流れた「洗濯機のチャイム音」が著作権侵害とみなされて収益化を停止されたという事例が報告されています。
YouTubeでの配信中に流れた「洗濯機のチャイム音」が著作権侵害とみなされて収益化を停止される事態に - GIGAZINE


YouTubeが過去に公開した違反警告システムを説明する動画によると、98%のユーザーはYouTubeのコミュニティガイドラインや著作権管理に関する規定を守っており、ルールを破ってしまっているケースでも意図的なものは非常に少ないとのこと。そのためYouTubeは「3ストライク制度」という仕組みを導入しており、例えばガイドラインに違反した動画が削除されるなどした場合、まずは1回限りの「注意」が表示され、1週間動画のアップやライブの配信が制限されるのみで、チャンネル停止などの処理は発生しません。1回目の警告から90日以内に2回目の警告を受けると2週間は新しく動画をアップロードできなくなり、2回目の警告から90日以内に3回目の警告を受けるとアカウントが自動的に永久削除となります。また、悪質な不正行為を一度でも行うと、事前警告無しでチャンネル停止になることもあるとガイドラインには記載されています。
このようなYouTubeの著作権侵害対策システムを回避するために、露骨なポルノ画像を使うケースが報じられました。以下は、著作権侵害に関するトピックを扱うメディアのTorrentFreakが報告した、「MrTech」というYouTubeチャンネルのチャンネルページです。16万人以上の登録者がおり、人気のある動画は数百万回再生されています。

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しかし、TorrentFreakによると、MrTechは11月初旬に突然チャンネルのヘッダーや動画のサムネイルをハードなポルノ画像に変更したそうです。以下の画像を見ると、動画のタイトルは以前のままで、動画の内容も変化はありませんが、サムネイルとヘッダーがポルノ画像になっていることがわかります。

YouTubeでサムネイルをエロ画像にすることで「著作権侵害による削除を回避」するチャンネルが出現 - 画像


YouTubeでは性的なコンテンツを厳しく禁止しているため、サムネイルがポルノ画像に変わったMrTechの動画はチャンネルごと削除されました。同じように、突然チャンネルの画像をポルノ画像に変更したことで削除されるケースは多数報告されています。TorrentFreakによると、これらはチャンネルが乗っ取られたなどのトラブルではなく、チャンネル所持者による意図的なものだと考えられるとのこと。著作権侵害の警告を連続して受けるとチャンネルが自動的に永久削除になるため、露骨なポルノコンテンツをアップロードすることで、著作権侵害を理由にした削除よりも先に自ら削除を誘発しているというわけ。
著作権侵害が理由の場合でもポルノコンテンツが理由の場合でも、チャンネルが削除されること自体は変わりません。しかし、収益を獲得するためにYouTubeチャンネルと紐付けたGoogle AdSenseのアカウントに違いが生じる可能性があります。著作権侵害を理由にチャンネル削除になった場合、紐付けたGoogle AdSenseアカウントも永久に停止されるため、新しいチャンネルを立ち上げて収益を得たり、他のサービスでGoogle AdSenseを引き続き使うことが難しくなります。しかし、ポルノコンテンツを理由としたチャンネル削除であれば、Google AdSenseへのペナルティは発生しにくくなります」とTorrentFreakは説明しています。
著作権侵害とポルノコンテンツでペナルティに違いがある理由について、「著作権侵害を理由にする場合、『違法行為から利益を得ること』が問題とされるため、Google AdSenseも自動的に停止されています。一方で、ポルノコンテンツでチャンネルが停止するのは、利益よりもコンテンツ自体に重点を置いているため、Google AdSenseへのペナルティは発生しにくいです」とTorrentFreakは説明しています。
TorrentFreakがYouTubeに問い合わせたところ、YouTubeは「MrTechはヌードおよび性的コンテンツに関するポリシーで停止された」「著作権侵害に対処するための別のプログラムがある」という一般的な声明のみ返答し、YouTubeのガイドラインの穴については回答しなかったとのことです。

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