フォードが誤って麻薬を密輸してしまうことを防ぐ技術の特許を申請

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自動車メーカーのフォード・モーター・カンパニーが、ドライバーが誤って車で麻薬を密輸してしまうことを防ぐ技術の特許を申請していることがわかりました。
US Patent Application for UNKNOWN CARGO DETECTION AND EVIDENCE COLLECTION SYSTEM FOR A VEHICLE, AND ASSOCIATED METHOD Patent Application (Application #20240308426 issued September 19, 2024) - Justia Patents Search
https://patents.justia.com/patent/20240308426
Ford develops tech to stop drivers from becoming 'blind mules'
https://interestingengineering.com/innovation/ford-patent-drug-trafficking-tech
2023年3月に申請され、2024年9月に公開された特許「車両用の未知の貨物の検出および証拠収集システム、および関連する方法」によると、フォードは車両を監視するためのプロセッサー、メモリー、センサー群を含む車両用イベント検知システムを開発していて、このシステムにより車両内の「未知の貨物」を検知しようとしているとのこと。
システムは複数のセンサーやマイクからなり、マクロ静電容量センサーで車両内への侵入を検知したり、空気圧センサーで車両の重量を検知したり、マイクでタイヤに何かが取り付けられた音を検知したりします。
このセンサー群から得られたデータに基づき、ドライバーのあずかり知らぬ荷物が車両内に置かれたことなどを検知し、仮に麻薬の密輸で逮捕されたとしてもドライバーの無罪を証明するというものになっています。このシステムはドライバーがエンジンを切っているときでも動作するというのが特徴です。

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フォードによると、特にアメリカとメキシコの国境を越えて通勤する人などは自分が知らないうちに麻薬を運ばされていることがあり、逮捕されることも珍しくないといいます。麻薬密売組織は、毎日同じルートを走っているような人の車に麻薬と追跡装置を取り付け、ドライバーが国境を越えてどこかに駐車した際に追跡装置をたどって麻薬を回収するという手口を使います。こうして麻薬を運ばされたドライバーは、俗に「盲目のラバ」と呼ばれているそうです。
「盲目のラバ」が捕まったとしても麻薬密売組織は一切ダメージを受けることはありません。一方の被害者は無実を証明するために多大な労力が必要になり、仮に無実を証明したとしても仕事や多額の弁護士費用を失う可能性があります。また、本物の密輸業者が「運ばされた」とウソをつくケースも確認されているとのことです。

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フォードのシステムは本物の密輸業者を逮捕する手助けにもなります。このシステムにはGPS記録装置も搭載されていて、システムが「未知の荷物」を検知し、その場所の近くになんらかの事業所があったと判断した場合、位置情報を含むセンサー群から得られたあらゆるデータをクラウドを介して証拠データベースに保存するとのこと。
法執行機関等がデータベースを検索し、近くに事業所があったことが明らかになれば、法執行機関等は事業所の監視カメラの映像を取得するなどして、被害者の冤罪を晴らすとともに犯罪者を逮捕・起訴することができる可能性があります。

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なお、上記の技術が実際に市販の車へ実装されるかどうかはわかりません。

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