「Googleを倒す方法」を検索エンジンのDuckDuckGoが提案

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2024年8月に「Googleが検索市場で独占禁止法違反をしている」との判決が下されて以来、検索市場におけるGoogleの違法な優位性をどのように改善すべきかの議論が続いています。ユーザーを追跡しない方針を掲げている検索エンジンのDuckDuckGoが、Google検索の優位性を効果的に抑制させる技術的な介入策を提唱しました。
Creating Enduring Competition in the Search Market
https://spreadprivacy.com/creating-enduring-competition-in-the-search-market/

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DuckDuckGoよると、検索市場で永続的な競争状態を確立し、新規参入とイノベーションを促進させることで、複数の競合企業が大きな市場シェアを獲得できるようにしていくことは決して不可能ではないとのこと。
しかし、Googleが持つ複数の優位性を一挙に解消するような特効薬は存在しないため、Googleの独占対策は一連の効果的な救済策を組み合わせたパッケージでなければならないとDuckDuckGoは指摘しています。
◆検索結果へのアクセスでGoogleの規模の優位性に対抗する
Googleの優位性に関する議論では、Google検索をSafariのデフォルト検索にするためにAppleに大金を支払うような「配信の優位性」が焦点となることがよくありますが、DuckDuckGoによると「規模の優位性」への対策も重要とのこと。
例えば、前述の独禁法裁判で裁判所は「GoogleとBingのユニークなクエリフレーズ370万件を分析したところ、ユニークなフレーズの93%がGoogleにしか存在せず、Bingでしか見られないのはたった4.8%であることが示されました」と指摘しています。
Googleは「ロングテールクエリ」と呼ばれているユニークなクエリの豊富さを利用し、大規模な実験を繰り返して検索結果の継続的な改善を行っており、これはGoogleのような圧倒的な規模を持たない競合他社にはできない芸当です。

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この問題に対する技術的な介入策として、DuckDuckGoは「この不平等を解消する最善かつ最速の方法は、GoogleがリアルタイムAPIを通じて検索結果へのアクセスを公平、合理的かつ非差別的(fair, reasonable, and non-discriminatory:FRAND)な条件で提供することです。これはつまり、検索エンジンに入力される可能性のあるあらゆるクエリに対して、競合他社が同じ検索結果にアクセスできるようにすることです」と提案しました。
Googleがこのような形で検索結果をライセンスすることを余儀なくされれば、既存の検索エンジンや潜在的な市場参入者がGoogleのさまざまなモジュールやインデックスの上にサービスを構築し、より競争力のあるイノベーティブな選択肢を消費者に提供できるようになります。
このような介入策には、Google検索のプライバシーへの問題を他の検索エンジンが継承するのではないかとの懸念がありますが、Googleの検索結果のライセンスにはユーザーデータへのアクセスは含まれないため、プライバシーも侵害されないとのこと。DuckDuckGoはこの分野で先行しており、「この救済策は匿名で実施できることが経験からわかっています」と述べています。
また、ロングテールクエリの検索結果が似たり寄ったりになると危惧する声もありますが、FRAND条件で検索結果がライセンスされれば、各検索エンジンがランキングを変更して独自性の高い検索結果を提供することも可能だと、DuckDuckGoは結論づけました。
◆ChromeとAndroidでの自己優先を禁止してGoogleの配信の優位性を打ち消す
前述の裁判では、Google検索がデフォルト検索になっているせいで、多くのユーザーが知らず知らずのうちにGoogleで検索しているとの証拠がいくつか提示されました。
例えば、2020年のGoogleの調査によると、アメリカのiPhoneユーザーの50%以上が、Safariで何の検索エンジンを使っているか「知らない」と回答したとのことです。
特に、DuckDuckGoはChromeとAndroidを「Google検索のリーチを伸ばすべく開発されたもの」と位置づけて、これらのプラットフォームでGoogleが自社の検索エンジンを優遇していることを問題視しています。
そこで、DuckDuckGoはユーザーがAndroidやChromeの設定をする時や使用中に、デフォルトの検索エンジンを選べる選択画面を表示させて、定期的にデフォルトの検索エンジンを選べるようにすることを提案しました。

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そのほか、直接的にGoogleの優位性を打ち消すことにはつながらないものの、地道かつ重要な救済策として「排他的契約を制限すること」や「Googleが規制の抜け穴をつかないように継続的に監視すること」、「Googleの組織改革」なども挙げています。
こうした介入策による検索市場の改善について、DuckDuckGoは「Googleの優位性によって発生した不均衡な競争状態の問題は根深く、一夜にして解消できるようなものではないので、検索市場で競争が定着するには長い時間がかかるでしょう。しかし、私たちは特定のボトルネックに対処するように設計され、きちんと実行され、注意深く監視された救済措置のパッケージであれば、検索市場に永続的な競争を生み出せると信じています」と述べました。

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