EVの航続距離を70%延長しスマホをクレジットカード並みに薄くする可能性がある「世界最強のバッテリー」が開発される

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by Chalmers University of Technology | Henrik Sandsjö
軽い上に剛性が高く、エネルギーを蓄えるだけでなく重いものを支えることもできるバッテリーが開発されました。開発が進めば、バッテリーのさらなる薄型化に寄与する可能性があります。
Unveiling the Multifunctional Carbon Fiber Structural Battery - Chaudhary - Advanced Materials - Wiley Online Library
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.202409725

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World’s strongest battery paves way for light | EurekAlert!
https://www.eurekalert.org/news-releases/1057377
Sweden: World’s strongest battery could increase EV range by 70%
https://interestingengineering.com/energy/worlds-strongest-structural-battery-sweden
スウェーデンのチャルマース工科大学のレイフ・アスプ氏らが開発したバッテリーは「Structural batteries(構造電池)」と呼ばれるものの一種で、耐荷重機能とエネルギー貯蔵機能の両方を備えているのが特徴です。
2018年、アスプ氏らは、炭素繊維が電気エネルギーを蓄積し、リチウムイオン電池の電極として使用できることを発見しました。アスプ氏らは正極と負極の両方に炭素繊維を用いたリチウムイオン電池を作成し、2021年までに電池の強度と電気容量を改善して1kgあたり24Whrのエネルギー密度を実現することに成功します。
今回、研究者たちはバッテリーのコアをコーティングしていた材料をアルミニウム箔からリン酸鉄リチウムに変更し、エネルギー密度を30Wh/kgまで引き上げたとのことです。さらに、変形のしにくさを表す弾性率を25GPaから70GPaに引き上げ、アルミニウムのように重いものを支えられるようにもしたとのこと。銅やアルミニウムのような材料を使わないため、軽量であることも特徴だそうです。一方で現状ではパワー不足という課題もあります。
30Wh/kgという数値は既存のリチウムイオン電池に比べると非常に少ないものですが、既存のものに比べて軽いため、例えば電気自動車に応用した場合、軽量になった分だけ航続距離が伸びる可能性があります。

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by Chalmers University of Technology | Henrik Sandsjö
さらに、リチウムイオンは液体の電解液ではなく半固体の電解液を通してバッテリー端子間に輸送されるため、火災のリスクを低減し、バッテリーの安全性を高めることにも貢献しているとのことです。
アスプ氏は「実験室での小規模製造からテクノロジーガジェットや車両用の大規模生産に移行するまでには、やるべき作業がまだたくさんあります。しかし、クレジットカードのように薄いスマートフォンや、現在の半分の重さのノートパソコンが近い将来登場することは想像に難くありません」と述べました。

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