イーロン・マスクが「ナチスによるユダヤ人虐殺は偶発的なものだった」という親ナチス的言説を含むインタビュー映像を拡散した後に削除

2024年9月3日に「ナチスによるユダヤ人虐殺は偶発的なものだった」という旨の発言を含むインタビュー映像がXに投稿されました。このインタビュー映像をイーロン・マスク氏が「とても興味深い。視聴する価値あり」というコメントを付けて拡散し、その後当該ポストを削除する一幕がありました。
Elon Musk Deletes Post Promoting Tucker Carlson Video Following Backlash - Newsweek
https://www.newsweek.com/elon-musk-deletes-post-promoting-tucker-carlson-darryl-cooper-1948470
Elon Musk Deletes Tweet Promoting Tucker Carlson Interview
https://www.mediaite.com/news/elon-musk-deletes-tweet-promoting-tucker-carlsons-interview-with-hitler-loving-historian/
Tucker Carlson Slammed After Hosting ‘Nazi Apologist’ on Podcast
https://www.thedailybeast.com/tucker-carlson-slammed-after-hosting-nazi-apologist-on-podcast
問題のインタビュー映像は、保守派のコメンテーターとして知られるタッカー・カールソン氏が自称歴史家のダリル・クーパー氏に対してインタビューするという内容のものです。映像の中でクーパー氏は「第二次世界大戦の最大の悪役はウィンストン・チャーチルである」「ホロコーストで何百万人もの人が殺害されたのは、ドイツに戦争捕虜を受け入れる用意がなかったために発生した偶発的な出来事だ」と主張しました。
Darryl Cooper may be the best and most honest popular historian in the United States. His latest project is the most forbidden of all: trying to understand World War Two.
(1:20) History of the Israel-Palestine Conflict
(12:39) The Jonestown Cult
(32:10) World War Two
(45:04) How… pic.twitter.com/HJ2B8RjcCY— Tucker Carlson (@TuckerCarlson) September 2, 2024

インタビュー映像は親ナチス的な言説を含む荒唐無稽なものとして多くの非難を集めることとなりました。例えば、元下院議員のリズ・チェイニー氏はインタビュー映像を引用しつつ「これは『チャーチルは第二次世界大戦の最大の悪役だった」『ヒトラーは戦いを望んでいなかった』といった言説を含む親ナチス的なプロパガンダだ。真面目で立派な人なら、このようなゴミのような言説を支持したり是認したりすることはないだろう」とコメントしています。
Actually, this is pro-Nazi propaganda, including, “Churchill was the chief villain of WW2” and Hitler “didn’t want to fight.” No serious or honorable person would support or endorse this type of garbage. https://t.co/1jkGxvCfBI— Liz Cheney (@Liz_Cheney) September 3, 2024

一方で、マスク氏はインタビュー映像を引用しつつ「とても興味深い。視聴する価値あり」とコメントしました。

マスク氏が映像のどの部分に興味を示し、なぜ「価値あり」と判断したのかは不明。また、記事作成時点ではマスク氏の当該ポストは削除されています。

なお、マスク氏はこれまでにも「女性には批判的思考ができない」というポストや、「イギリスで収容キャンプが作られる」という偽情報、「ハイチでの人食い行為」と称する真偽不明のビデオなどを拡散しており物議を醸しています。
イーロン・マスクが極右政党の共有した「イギリスで収容キャンプが作られる」という偽情報を再投稿して30分で削除 - GIGAZINE