ドナルド・トランプが「テイラー・スウィフトがトランプ支持者である」とする生成AIによる虚偽の画像を共有


2024年に開催されるアメリカ大統領選挙で共和党候補として出馬する予定のドナルド・トランプ氏が、自身のメディア会社が所有するSNS「Truth Social」に、「歌手のテイラー・スウィフト氏とそのファンがトランプ氏を支持しているように思わせる画像」を共有しました。しかし、これらの画像がAIで生成されたものだったため、物議を醸しています。
Donald Trump Falsely Claims Taylor Swift Endorsed Him With AI Images
https://variety.com/2024/music/news/donald-trump-falsely-claims-taylor-swift-endorsed-ai-images-1236110583/
Could Trump's AI-generated Taylor Swift endorsement be illegal? | TechCrunch
https://techcrunch.com/2024/08/19/could-trumps-ai-generated-taylor-swift-endorsement-be-illegal/
トランプ氏がTruth Socialに行った投稿が以下。トランプ氏の支持を表明するTシャツを着たファンたちの写真や、スウィフト氏が投票を呼びかけるポスターの画像などに対し、トランプ氏は「I accept!(歓迎します!)」とコメントしています。

投稿には何も付記されていませんが、これらの画像はAIで生成されたもの。スウィフト氏自身は、2020年のアメリカ大統領選挙では民主党候補だったジョー・バイデン氏を支持しており、さらに同年に起こったジョージ・フロイドの死をめぐって、「大統領在任中、ずっと白人至上主義と人種差別を煽ってきたのに、暴力を脅かす前に道徳的優位性を装う神経が信じられません。『略奪が始まれば銃撃が始まる』?11月にあなたを追い出す投票をするつもりです」と、トランプ氏を批判していました。
知的財産およびエンターテインメント分野の弁護士であるノア・ダウンズ氏は、IT系ニュースサイトのTechCrunchの取材に対して「広告宣伝を目的としたAIのなりすましが全般的に増加しています。こうした偽のAIによる広告宣伝があまりにも広まっています」と注意を促しています。
スウィフト氏の法人代表が拠点を置くテネシー州では、AIによる無断学習からアーティストを保護するための「2024年肖像・画像セキュリティ保護法」、通称「ELVIS法」が2024年3月に可決されています。
アーティストをAIに関する不正使用から保護することを目的とした肖像音声画像セキュリティ法「ELVIS」が可決される - GIGAZINE


しかし、このELVIS法は画像よりも音声の不正使用に焦点を当てているため、今回のケースに適用されるかどうかは不明です。弁護士のアヴィ・ケリン氏はELVIS法が今回の件に適用される可能性については楽観視しておらず、「今回の選挙サイクルで連邦選挙委員会がAI生成の政治コミュニケーションに関する新しいガイドラインを発表する可能性は低いと思われます」と、むしろ選挙の公正性に関する懸念事項になるのではないかという見方を示しました。

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