FTCが「修理する権利」を脅かすPCメーカーに警告、過去には任天堂やソニーも同様の警告を受ける

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アメリカで反トラスト法(独占禁止法)に関わる不公正な競争などを取り締まる連邦取引委員会(FTC)が、一般市民が持つ「修理する権利」を脅かすとして、PCメーカーのASRock、GIGABYTE、ZOTACに警告を発しました。
The FTC is investigating PC manufacturers who scare you away from your right to repair - The Verge
https://www.theverge.com/2024/7/3/24191790/asrock-gigabyte-zotac-ftc-warranty-void-right-to-repair


FTCはPCメーカーのASRock、GIGABYTE、ZOTACに書簡を送り、デバイスのネジ穴を覆う「剥がすと保証が無効になります」といったシールを使用していないかと注意を促しました。書簡には、保証内容を変更し、顧客サポートの慣行を見直し、ユーザーが受けるべき保証を違法に脅かしていないかを改めて確認することをメーカー側に求めています。情報筋によると、GIGABYTEは「保証規定あるいは類似の規定に基づいて保証の適用を拒否した場合、FTCは懸念するだろう」という通知を受け取ったそうです。
ASRock、GIGABYTE、ZOTACの3社はFTCから修理する権利を脅かすような慣行を直ちにやめるよう通知を受け取っていますが、各社は修理関連のポリシーに修理する権利を脅かすような文言が含まれています。
ASRockの修理に関するポリシーには、「製品が改造、破損、または改ざんされた場合、たとえば、カバーが開けられたり、追加のオプション部品/コンポーネントが取り付けられたり取り外されたりした場合、製造元の保証は無効になります」と書かれています。
GIGABYTEの利用規約には、「製品内部の製造ステッカーが剥がれたり破損したりした場合、保証の対象外となります」と明記されています。

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FTCが主張する「修理する権利」は、記事作成時点で各州が施行している修理する権利を保護するための州法ではなく、1975年に制定されたマグナソン・モス保証法をベースとしたものです。
FTCはマグナソン・モス保証法について、「5ドル(約800円)を超える消費者向け製品の保証人が、(1)保証書に商品またはサービスが消費者に無料で提供されると記載されている場合、または(2)保証人が委員会から免除を受けている場合を除き、ブランド名、取引先名、または企業名で識別される修理サービスなどの商品またはサービスを消費者が使用することを書面による保証の条件とすることを禁止する」と説明しています。
FTCはASRock、GIGABYTE、ZOTACの3社に対して、「FTCの調査官は問題のオンラインページをコピーして保存しており、30日後に貴社の書面による保証書や販促資料を審査する予定です」と通知しており、30日以内に慣行を修正することを求めています。
なお、FTCは2018年にも任天堂・ソニー・Microsoftに対して、家庭用ゲーム機に修理する権利を脅かすような慣行が存在するとして同様の警告を発しています。なお、任天堂やソニーは警告が発せられてから2カ月足らずでポリシーを更新し、修理する権利に準拠しました。
ゲーム機に貼られている「剥がすと保証は無効」シールについて任天堂やソニーが保証を見直し - GIGAZINE


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