X(旧Twitter)が解雇した従業員に金銭を要求

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イーロン・マスク氏が買収したX(旧Twitter)が、「過去に解雇した少なくとも6人の元従業員に対して、通貨換算のミスで報酬の過払いを行ってしまった」として、過払い分の金銭を返却するよう求めていることが明らかになりました。
Elon Musk threatens to take Australia’s sacked Twitter staff to court over entitlements bungle
https://www.smh.com.au/business/companies/elon-musk-chases-overpayments-from-australia-s-sacked-twitter-staff-20240611-p5jku0.html
Musk’s X demands money from laid-off employees, claims they were overpaid | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2024/06/musks-x-demands-money-from-laid-off-employees-claims-they-were-overpaid/


オーストラリア最古の新聞であるシドニー・モーニング・ヘラルドの報道によると、Xは元従業員への報酬支払いの際にアメリカドルからオーストラリアドルへの通貨換算を間違えてしまったため、過払いが発生してしまった模様。Xは過払い分の返還を求めており、「訴訟を起こす」と元従業員たちを脅しているとそうです。
Xに解雇されたという元従業員が同社のアジア太平洋人事部から受け取ったというメールには、「2023年1月に誤って多額の過払いが発生した」と書かれています。過払い額は従業員によってまちまちですが、従業員1人当たり1500~7万ドル(約23万6000~110万円)におよぶそうです。
シドニー・モーニング・ヘラルドの調査では、記事作成時点では元従業員はまだ誰もXに過払い分の返還を行っていないそうです。シドニー・モーニング・ヘラルドがXに問い合わせたところ、同社による過払いは、元従業員たちが当時のTwitterに入社した際に発行された従業員株の「繰延現金報酬」に関連している模様。これらの株は1株当たり54.20ドル(約8500円)と評価されており、これはマスク氏が2022年にTwitterを買収した際と同じ価格だそうです。

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Xは解雇した従業員に権利金を支払う際に、通貨換算をミスしたと伝えられており、「ある報告ではXが株式権利金を当時の株式価値の2.5倍で支払った」とシドニー・モーニング・ヘラルドは報じています。
雇用法の専門家であるヘイデン・スティーブンス氏は、Xの元従業員は金銭の返還を強制される可能性があるものの、まずは「Xにミスが起きた経緯を明確に説明させ、裏付けとなる証拠書類の提出を求めるべき」と主張しています。同氏によると、本当にミスがあった場合、オーストラリアの雇用法では「通常、その金銭を返還する義務がある」とのことです。
なお、元従業員から「退職金が支払われていない」としてXは訴訟を提起されています。
元Twitter幹部らが「190億円以上の退職金が未払い」としてXとイーロン・マスクを訴える - GIGAZINE


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