Xで医薬品をオススメする投稿を行う医師の多くが医薬品メーカーから報酬を受け取っていることが発覚


X(旧Twitter)をはじめとするソーシャルネットワークでは、一部の医師がオススメの医薬品などを紹介する投稿が散見されます。アメリカのいくつかの機関に所属する医学研究者のチームが、Xで医薬品を紹介する医師の多くが医薬品メーカーから報酬を受け取っていることを指摘しています。
Industry Payments to Physicians Endorsing Drugs and Devices on a Social Media Platform | Ethics | JAMA | JAMA Network
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2819356


Study shows most doctors endorsing drugs on X are paid to do so
https://medicalxpress.com/news/2024-05-doctors-endorsing-drugs-paid.html
アメリカでは、製薬会社がラジオやテレビ、SNSなどを通じて、自社の医薬品の広告を掲載することが認められています。また、医師やその他の医療従事者が、ある医薬品を広告として紹介することで報酬を得ることも許可されています。
メディケア・メディケイド・サービス・センターが運営するウェブサイト「Open Payments」では、医薬品を紹介した対価として報酬を受け取った医師と、その医師に報酬を支払った企業名を特定することが可能です。
今回、クイーンズ大学のソニア・ペルソー氏をはじめとする研究チームはXで医薬品の紹介を含んだ投稿を行う医師28人を特定。その後Open Paymentsでその医師の名前を検索しました。その結果、28人中26人が紹介した医薬品の製造メーカーから報酬を受け取っていることが判明しています。また、24人の医師が特定の医薬品に関連する報酬を受け取っていることも明らかになっています。


研究チームによると、「講演料」や「コンサルティング料」として医師に報酬が支払われたケースが多かったほか、特定の医薬品の使用を勧めた投稿のほとんどに報酬が支払われていたとのこと。
また、医薬品の承認に向けた開発につながる研究に寄与する投稿を行っていたのは28人中わずか1人だったことも指摘されています。


なお、研究チームは「医薬品を紹介して報酬を得る行為は『非倫理的だ』と批判する人がいるかもしれませんが、アメリカでのこの行為は違法ではなく、医師免許にはなんら影響がありません」と述べています。

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