Appleが日本でもAppleウォレットの身分証明書機能を展開すると発表、iPhoneでマイナンバーカードが提示可能に


AppleがiPhoneやApple Watchで提供している「Appleウォレット」アプリでは、クレジットカードや車のキーを管理することができます。さらに、アメリカでは運転免許証や身分証明書の管理も可能になっているのですが、この機能がアメリカ以外では初めて日本で展開されることが発表されました。
Apple、日本でのAppleウォレットの身分証明書機能の展開を発表、米国外で初 - Apple (日本)
https://www.apple.com/jp/newsroom/2024/05/apple-announces-first-international-expansion-of-ids-in-apple-wallet-in-japan/


Appleは日本のデジタル庁と協力し、2025年春の後半から日本のユーザー向けに、Appleウォレットアプリでマイナンバーカードを利用できるように準備を進めていると発表しました。Appleがウォレットアプリの身分証明書機能をアメリカ国外で展開するのは日本が初となります。この機能により、日本のユーザーはiPhoneのウォレットアプリにマイナンバーカードをシームレスに追加し、物理的なカードと同じようにコンビニエンスストアで公的な証明書等を発行したり、マイナポータルのiOSアプリにアクセスしてオンラインの行政サービスを受けるなどが可能となります。
AppleのApple PayおよびAppleウォレット担当ヴァイスプレジデントを務めるジェニファー・ベイリー氏は、「Appleウォレットの身分証明書機能のアメリカ外への展開は、従来の物理的な財布を、簡単かつ安全で、プライベートなモバイルウォレットに置き換えるという私たちのビジョンにおいて重要なステップです。私たちは、来春の後半からAppleウォレットでマイナンバーカードを利用できるようにして、iPhoneに組み込まれたセキュリティとプライバシー保護の機能を最大限に活用しながら、身分証明書を提示するシームレスで便利な方法を日本に住むみなさんに提供することを大変嬉しく思います」述べています。
河野太郎デジタル大臣も、「岸田文雄総理大臣とApple社CEOティム・クック氏のリーダーシップのもと、マイナンバーカードの機能をスマートフォンへ搭載するという大胆な取り組みに、Apple社と共に協働していくこととなり、大変嬉しく思っています。現在、日本のIDカードであるマイナンバーカードは、1億人以上の国民のみなさまに申請いただき、様々な官民のオンラインサービスをはじめ、約6万を超えるコンビニで行政サービスを受けられるなど、日常生活で広く利用され、災害や救急でも利用できます。デジタル庁は、スマートフォンを基盤とした世界をリードする安全で便利なデジタル社会を、構築してまいります」とコメントしました。
河野デジタル大臣は自身のXアカウント上でも、Appleウォレットアプリでのマイナンバーカードの取り扱いについて言及しています。
アップル社と来年の春でのiPhoneへのマイナンバーカード機能の搭載で合意できました。
「Appleウォレットの身分証明書機能を米国外で展開するのは日本が初となります」(アップル社)— 河野太郎 (@konotarogomame) May 30, 2024

Appleウォレットのマイナンバーカードは、物理的なカードを取り出したりデバイスを人に渡したりすることなく、iPhoneで身分証明書を提示することができるようになるという、簡単かつ安全な方法となります。利用するにはAppleウォレットアプリを開き、マイナンバーカードを選択し、iPhoneのサイドボタンをダブルクリックしてFace IDあるいはTouch IDで認証を行い、非接触IDカードリーダーにiPhoneをかざすだけでOKです。なお、利用場面によってはカードリーダーでの読み取り時に追加の認証ステップが必要になる場合がある模様。

Appleが日本でもAppleウォレットの身分証明書機能を展開すると発表、iPhoneでマイナンバーカードが提示可能に - 画像


iPhoneのマイナンバーカードが利用できる場所としては、病院や医療機関、コンビニエンスストアが挙げられており、他にもマイナポータルのiOSアプリなど、特定のアプリでもマイナンバーカードが提示できるようになる模様です。
なお、Appleウォレットの身分証明書機能は、モバイル身分証明書を追加して使うための安全な方法を提供すると同時に、物理的な身分証明書では実現できないセキュリティとプライバシーのメリットを利用者に提供することができます。ユーザーがどこで、いつ、どのような個人情報を共有したかなど、過去の提示に関する情報は暗号化され、ユーザーのデバイス上にのみ保存されるため、Appleがユーザーの提示履歴を知ることはありません。また、利用者が自分のiPhoneをどこかに置き忘れた場合、「探す」アプリを使って、デバイスをロックして位置を特定するのに役立てたり、デバイスをリモートで消去したりも可能です。
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