Appleが追加アクセサリ不要なアイトラッキングや音楽を触覚で楽しめるMusic Haptics、音声ショートカットなどの新しいアクセシビリティ機能を発表
Appleは2024年5月15日、アイトラッキングやMusic Haptics、音声ショートカット、車両モーションキューなど2024年内に登場予定の新たなアクセシビリティ機能を発表しました。
Apple announces new accessibility features, including Eye Tracking - Apple
https://www.apple.com/newsroom/2024/05/apple-announces-new-accessibility-features-including-eye-tracking/
◆アイトラッキング
人工知能を活用したアイトラッキングにより、ユーザーは目だけでiPadやiPhoneを操作することが可能になります。アイトラッキングには前面カメラが使用されるため追加のハードウェアやアクセサリは不要で、数秒でセットアップと調整が完了するとのこと。オンデバイスの機械学習を活用することで外部にデータを送信することなくアイトラッキングを使用することができます。
アイトラッキングでは目だけでアプリの要素間でフォーカスを移動させたり、物理ボタンやスワイプなどのジェスチャを行ったりすることが可能です。
◆Music Haptics
聴覚障害のあるユーザーが音楽を体験する新たな方法として、iPhoneに「Music Haptics」が追加されます。Music HapticsをオンにするとiPhoneのTaptic Engineが音楽にあわせて洗練された振動を「再生」するとのこと。Apple Musicの数百万曲で使用できるほか、開発者がアプリで音楽を再生する際にもAPI経由で使用可能となっています。
◆音声ショートカット
iPhoneおよびiPadにおいて、Siriが理解できるカスタム発話を設定する事で「特定の言葉を話すことでショートカットを起動し、複雑な操作を行う」ことができるようになります。
また、音声関連の新機能として「非定型音声を聞く」機能も追加される予定です。「非定型音声を聞く」を有効化することで、脳性麻痺や筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脳卒中など発話能力に制限のあるユーザーに対して新たなレベルのカスタマイズや制御を提供するとのこと。
◆車両モーションキュー
車両モーションキューを有効化すると画面の端にいくつかのドットが表示され、車両の移動にあわせてドットが移動することで乗り物酔いを軽減できます。車両モーションキューはコントロールセンターで有効化・無効化を切り替える方法のほか、自動で表示されるように設定することも可能とのこと。
◆CarPlayにさまざまなアクセシビリティ機能が追加
声だけでCarPlayを操作できるようになる「音声コントロール」機能のほか、車のクラクションやサイレンを通知する聴覚障害者向けの「音認識」機能、色覚障害のあるユーザー向けに太字や文字の大きさを調整してインターフェイスを使いやすくする「カラーフィルター」機能がCarPlayに追加される予定です。
◆visionOSにアクセシビリティ機能が登場
デジタルコンテンツを現実の世界とシームレスに融合し、実世界や周囲の人とのつながりを保つことができる空間コンピュータのApple Vision Pro用OSのvisionOSにアクセシビリティ機能が登場します。
目の前の人との会話内容やアプリからの音声を文字起こしするライブキャプション機能のほか、Apple Immersive Videoを再生中にウィンドウバーを使用してキャプションを移動する機能、iPhone向け聴覚デバイスや蝸牛聴覚プロセッサを使用する機能、視力の低いユーザーや画面の頻繁な点滅を避けたいユーザー向けに「透明度を下げる」「スマート反転」「薄暗く点滅するライト」機能などが追加予定となっています。
今回Appleが発表した機能は「2024年後半に追加予定」とされています。
05/16 12:15
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