AppleにiPhoneの「写真」アプリを代替するサードパーティー製アプリを認めるようにEUが要求する可能性


EUの競争政策担当委員であるマルグレーテ・ベステアー氏が、iPhoneのユーザーがiPhoneにプリインストールされている「写真」アプリの代わりとなるサードパーティー製アプリをAppleに認めるように要求する可能性を示唆したと報じられています。
EU may require Apple to let iPhone owners delete the Photos app
https://9to5mac.com/2024/04/02/eu-owners-delete-the-photos-app/


ベステアー氏は2024年3月25日に欧州委員会の会議の中で、「デジタル市場法第6条(3)に基づいて、ゲートキーパーはアプリの容易なアンインストールとデフォルト設定の容易な変更を可能にする義務があります。また、選択画面も表示しなければなりません。Appleのコンプライアンスモデルはこの義務を果たしていないようです」と発言しています。


技術系ブロガーのジョン・グルーバー氏はベステアー氏の発言について、EUがiPhoneの「写真」アプリについてもサードパーティー製を認めるようにAppleへ要求しているのではないかと指摘しています。
iPhoneで写真や画像を保存する「カメラロール」はiOSシステムに統合されており、アプリごとにアクセス権限を付与する許可を求める画面が表示されます。「写真」アプリは単なるアプリではなく、このカメラロールにシステムレベルでアクセスできるインターフェースとして機能しています。「写真」アプリのサードパーティー製代替アプリを認めるということは、「写真」アプリと同等のアクセス権限を与えるということになります。
写真を保存するカメラロールは個人にとって非常にセンシティブな情報を含むものであるため、セキュリティを理由に代替アプリストアやサイドローディングをかたくなに拒否していたAppleがサードパーティー製アプリに「写真」アプリと同等のアクセス権限を認める可能性は極めて低いといえます。
Apple関連ニュースサイトである9to5Macは「サードパーティー製のアプリに『写真』アプリの役割を引き継がせることを許可するのはあまりにも危険です」と述べました。


なお、グルーバー氏をはじめとする一部のブロガーや批評家は「EUの要求範囲が大きくなりすぎると、AppleがEU圏内でiPhoneの販売を中止する可能性もある」と述べていますが、EU圏内市場担当委員のティエリー・ブルトン氏は「4億5000万人の顧客を抱える市場を捨てるなどということは、誰にとっても簡単に考えられるものではありません」と述べ、Appleが巨大なEU市場から撤退することは現実的な選択肢ではないとコメントしました。
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