韓国の2024年2月のチップ生産量は前年比65.3%増、AI関連メモリの需要拡大が成長をけん引し2009年後半以来最大値となりチップ輸出も増加


韓国における2024年2月のチップ生産量が前年比65.3%増と2009年以降で最高の数字を記録したことが報告されています。海外メディアのBloombergはこの要因について「AI関連メモリ需要の増加によるもの」と分析しています。
Korea Chip Production Rises by Most in 14 Years With Strong Semiconductor Demand - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-03-29/south-korea-s-semiconductor-output-rises-by-most-in-14-years


Bloombergの報告では、韓国企業による月ごとのチップ出荷数は2024年1月に前年同期比で62.7%増を記録し、2024年2月にも前年同期比で59%増という急成長を遂げています。また、韓国企業が抱えるチップ在庫も2024年2月に16.2%減少し、チップに対する旺盛な需要が見られました。
以下は韓国の半導体市場の推移を示したグラフです。黒の折れ線で示された生産量と赤色の出荷量は2023年2月に過去最低レベルまで落ち込んでいましたが、その後右肩上がりの回復を見せています。それに伴い、黄色で示された在庫数が減少しています。


韓国統計庁は報告書で「韓国の輸出に占める最大のシェアはチップであるため、この流れが続けば今後数カ月にわたり国内の経済発展が持続するだろう」と推測しました。
韓国におけるチップ市場発展の原動力となっているのは、AI関連チップへの急速な需要拡大です。実際に国内第2位のチップメーカー「SK Hynix」はデータセンター向けGPU「B200」や「H100」を提供するNVIDIAに対し、自社のチップを納品しています。
経済学者のクォン・ヒョソン氏は「2024年3月のチップ生産量は、AIメモリチップに対する旺盛な需要にけん引されることで着実な成長を見せると推測されます。一方で、中国ではAIメモリチップへの需要の大幅な回復が見込めないことから、韓国製品の受注が圧迫される可能性があります」と分析しました。


また、Bloombergは「韓国の半導体産業を支えるメモリチップ市場は、好況と不況のサイクルを繰り返すことで知られています。今回のチップ市場の活況は、韓国の銀行がインフレを抑えるための引き締め政策を維持する自信を与えているようです」と語っています。

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