iPadユーザーはデジタル市場法による変更が行われてもApp Store以外のアプリストアを利用できないという指摘

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AppleはEUで施行されたデジタル市場法(DMA)に基づいて、「App Store以外でのiOSアプリ配布」「代替ブラウザエンジンの選択肢」などをEU圏で認めることを発表しています。ところが、これらの変更はiPhoneに対してのみ行われる予定で、同じApple製品であってもiPadには適用されないとのことです。
iPad users will miss out on third-party app stores, browser engines, and more - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2024/01/26/ios-17-app-stores-and-more-ipad-changes/

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EUのデジタル市場法は大手テクノロジー企業による市場支配力の乱用を防ぎ、市場への新規参入を可能にすることで、デジタル市場における独占状態を解消することを目的として2023年5月に施行されました。デジタル市場法ではアプリストア、検索エンジン、SNS、ブラウザ、OSなどのオンライン仲介サービスを「コアプラットフォームサービス」と定義し、これらを提供する大企業を「ゲートキーパー」と認定して規制対象としています。
2023年9月には、Googleの親会社であるAlphabet、Amazon、Apple、TikTokを運営するByteDance、FacebookやInstagramを運営するMeta、Microsoftの6社がゲートキーパーに指定されました。
Appleはデジタル市場法を順守するため、EU圏において「App Store以外のアプリストアでiOSアプリを配布するサイドローディング」「App Storeを介さない外部の決済手段のサポート」「Safari以外のブラウザエンジンのサポート」を認めることを2024年1月に発表しました。
Appleがデジタル市場法を受けてEUでのサイドローディングとApp Store外決済を認めるも厳しい条件や新しい手数料が追加される - GIGAZINE

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ところが、これらの変更のうちいくつかはAppleのプラットフォーム全体に適用されるものの、他の変更はiPhoneのみに適用されるものであり、iPadは対象外になっています。この理由についてテクノロジー系メディアの9to5Macは、EUがデジタル市場法においてゲートキーパーのプラットフォームだと認定したのはiPhoneに搭載されている「iOS」であり、iPadに搭載されている「iPadOS」は異なるプラットフォームだからだと指摘しています。
そこでAppleは、iPhoneやiPadを含むすべてのプラットフォームを対象にした「App Storeへの変更」と、iPhone以外には適用されない「iPhoneへの変更」を分割して設けました。これにより、App Storeにおける変更はiPadユーザーにも恩恵を与える一方で、iPhoneにおける変更がiPadユーザーに影響を及ぼさない仕組みになっています。
実際にAppleが発表した2024年1月25日の声明では、App Storeの変更について「iOS、iPadOS、macOS、watchOS、tvOSなど、Appleのオペレーティングシステム全体のアプリケーションに影響を与える多くの変更」を行ったと説明している一方、iPadOSに変更を加えたとは記されていません。
Apple announces changes to iOS, Safari, and the App Store in the European Union - Apple
https://www.apple.com/newsroom/2024/01/apple-announces-changes-to-ios-safari-and-the-app-store-in-the-european-union/
このAppleの試みは、ユーザーに以下のような影響を及ぼすと9to5Macは説明しています。
・サードパーティーのアプリストアをインストールしたり、サードパーティーのアプリストアからアプリをダウンロードしたりする機能は、iPhoneでのみ利用可能。
・最初にSafariを開いた時にデフォルトのブラウザエンジンを選択するよう求めるプロンプトは、iPhoneでのみ表示される。
・サードパーティーのブラウザエンジンのサポートは、iPhoneでのみ提供される。
・デフォルトのNFCおよびウォレットアプリを設定する機能は、iPhoneでのみ提供される。
・外部決済手段と手数料の引き下げを可能にするApp Storeポリシーの変更は、iPadを含むすべてのAppleプラットフォームに影響する。
・これまで禁止されていたゲーム配信アプリを許可するApp Storeガイドラインの変更は、iPadを含むすべてのAppleプラットフォームに影響する。

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