ロシアの情報機関のハッカー「スター・ブリザード」がサイバー攻撃による内政干渉をしかけたとイギリス政府が非難

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イギリス政府が2023年12月7日に、多数の政治家や政府関係者のメールなどをハッキングし民主主義的なプロセスを妨害しようとしたとして、ロシアの情報機関を非難しました。これにより、イギリス政府は情報機関の将校を含むロシア人2人を制裁対象者リストに加えたほか、在英ロシア大使を召喚して懸念を伝えました。
UK exposes attempted Russian cyber interference in politics and democratic processes - GOV.UK
https://www.gov.uk/government/news/uk-exposes-attempted-russian-cyber-interference-in-politics-and-democratic-processes
Office of Public Affairs | Two Russian Nationals Working with Russia’s Federal Security Service Charged with Global Computer Intrusion Campaign | United States Department of Justice
https://www.justice.gov/opa/pr/two-russian-nationals-working-russias-federal-security-service-charged-global-computer
The UK government blames Russian intelligence for prolonged efforts to meddle in British politics - ABC News
https://abcnews.go.com/Technology/wireStory/uk-russias-intelligence-service-sustained-attempts-meddle-british-105451402
イギリス政府は、「ロシア連邦保安庁(FSB)内の組織である『センター18』が、イギリスを標的としたさまざまなサイバースパイ活動に関与していることが確認されました」と発表しました。
イギリス政府によると、ロシアの情報機関はイギリスとその同盟国の政治に対する信頼を損なうことを目的に、政治や民主主義に携わる公人にハッキングをしかけ、入手した情報を利用したなりすましなどを行っていたとのこと。

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スパイ活動を実行したのは「スター・ブリザード」「カリスト・グループ」「コールドリバー」、または「シーボーギウム」と呼ばれるサイバーグループで、イギリスの国家サイバーセキュリティ・センター(NCSC)はこのグループがほぼ確実にセンター18に所属しているとの認識を示しています。
イギリスのレオ・ドチャティ国務大臣は下院議会で、「彼らは入手した情報を利用してイギリスの政治に介入するという明確な意図を持って、著名な個人や団体を標的にしました。ターゲットは政治家に限らず、あらゆる種類の公人や団体も対象となっています」と話しました。
イギリス政府は、FSBがスター・ブリザードを通じて以下の攻撃を実施したとしています。
・少なくとも2015年から2023年まで、複数の政党の国会議員をスピアフィッシング(標的型フィッシング攻撃)の標的にした。
・2019年の総選挙に先立って流出されたイギリスとアメリカの貿易文書に関するハッキング。
・偽情報から民主主義を守る活動を行っているイギリスのシンクタンク・Institute for Statecraftに対する2018年のハッキング、およびその創設者であるクリストファー・ドネリー氏のアカウントを2021年12月から2023年まで侵害していたハッキング。
・イギリスの民主主義おいて重要な役割を果たしている大学、ジャーナリスト、公共団体、非政府組織、そのほかの市民団体を標的とした攻撃。

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一部の攻撃により文書が漏えいしたものの、イギリスの政治と民主主義に干渉する試みは成功していないとイギリス政府は主張しています。
ロシアによる民主主義への攻撃に関与したとして、イギリスとアメリカは共同でロシアの情報機関のメンバー2人を制裁リストに加えました。制裁対象になったのは、FSBの諜報(ちょうほう)員で、スター・ブリザードの一員でもあるルスラン・アレクサンドロヴィッチ・ペレティヤトコ氏と、同じくスター・ブリザードの構成員であるアンドレイ・スタニスラヴォヴィッチ・コリネッツ氏、別名アレクセイ・ドグジエフ氏です。
また、アメリカ司法省は2人をコンピューター詐欺の共謀罪で別途起訴しており、もし両名がアメリカに引き渡されることがあれば、ペレティヤトコ氏には最高で懲役5年、コリネッツ氏には最高で懲役10年の刑が科せられるとのことです。
イギリス外務省は駐英ロシア大使を呼び出して、「ロシアがサイバー攻撃を利用してイギリス内外の政治的・民主的プロセスに干渉しようと継続的に試みていることに対する深い懸念」を表明しました。
イギリスのデービッド・キャメロン外務大臣は「イギリスの政治に干渉しようとするロシアの試みはまったく容認できず、我が国の民主的プロセスを脅かそうとするものです。しかし、彼らは繰り返し努力したにもかかわらず、その試みは失敗に終わりました。今日、責任者を制裁し、ロシア大使を召喚することで、私たちは影響力を及ぼそうとする彼らの悪意のある試みを暴露し、ロシアが世界舞台でどのように振る舞うことを選んだかについて明かしました。私たちは、ロシアの秘密サイバー活動を白日の下にさらし、ロシアの行いの責任を問うために同盟国と協力し続けます」と述べました。
ロシアの当局者は、メディアによるこの件へのコメントの要請に応じませんでした。

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