ファイル共有サービスがEUデジタルサービス法のため共有機能を廃止

ファイル共有サービスがEUデジタルサービス法のため共有機能を廃止 - 画像


ファイル共有サービス「Ulož.to」がファイル共有機能を廃止して、ファイルのダウンロードをアップロードした本人のみに限定することがわかりました。Ulož.toによれば、この変更はEUのデジタルサービス法(DSA)を準拠するためだとのことです。
Pro novináře | Ulož.to Disk
https://uloz.to/press

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File-Sharing Giant Uloz.to Bans File-Sharing Citing EU's Digital Services Act * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/file-sharing-giant-uloz-to-bans-file-sharing-citing-eus-digital-services-act-231124/

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Court Orders File-Sharing Service to Pay $46,000 Piracy Damages For User Upload * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/court-orders-file-sharing-service-to-pay-46000-piracy-damages-for-user-upload-230717/
Ulož.toはチェコで運営されているファイル共有サービスです。運営元は「チェコおよびヨーロッパの法律に従っているかどうか注意深く確認してきた」とのことですが、実際には映像や音楽の海賊版を共有するのに利用しているユーザーが存在します。
2020年、チェコの映画配給会社・CineMartはUlož.toに対して、映画のタイトル「Šarlatán」の検索結果をブロックするよう求めて裁判を起こし、プラハの地方裁判所は「Ulož.toは当該タイトルをフィルタリングしてブロックしなければならない」という判決を下しました。しかし、Ulož.toの控訴を受けて行われた第二審で高等裁判所は地裁判決を覆し、ブロックは不要と判断しました。
続けてCineMartは、Ulož.toが自社映画のコピーを無許可で共有したとして損害賠償請求の裁判を起こしました。プラハ地方裁判所は、Ulož.toに97万6000チェココルナ(約654万円)を支払うよう命じました。裁判を担当したヤナ・プジビロヴァ判事は「少なくとも2020年12月9日から2023年2月までの期間、原告が権利を有する著作物がUlož.toでダウンロード可能になっていた」と結論づけています。

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CineMartの法定代理人であるルドルフ・レシュカ氏はこの判決を受けて「リポジトリ運営者に対して金銭賠償を求める訴訟で勝利したのはこれが初です」と喜びを示した上で、捜査当局がUlož.toに対する捜査を開始したことを明らかにしました。
Ulož.toは控訴した上で、当局の捜査は財務諸表に関連したものであり、裁判とは無関係と主張していました。
しかし、2023年11月に方針を転換。2023年12月1日以降、DSAに基づいて、「自分でストレージにアップしたファイルのみダウンロード可能」へと変更することを表明しました。ファイルそのものは削除されないものの、ファイルを一般公開したり、リンクを利用してファイルを共有することはできなくなります。
有料版のユーザーが使用継続を求めない場合、無料版への切り替えやアカウント削除が可能で、その場合は残り期間に応じた返金を行うとのこと。
なお、方針転換のきっかけには、ソニー・ピクチャーズ、ウォルト・ディズニー・スタジオ、ワーナー・ブラザース、ユニバーサル・ピクチャーズ、パラマウント・ピクチャーズ、Netflixで構成されるアメリカの映画業界団体・Motion Picture Association(MPA)がUlož.toを「悪評高い市場」と名指ししたこともあるとみられています。

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