ダイソンの本格水拭き掃除機を体験! 固形ゴミの掃除と水拭き掃除を同時に完了

昨年(2023年)多くの注目を集めた家電のひとつに「水拭き掃除機」があります。そんな水拭き掃除機ジャンルにダイソンがとうとう参入しました。それが固形ゴミの掃除と水拭き掃除が同時にできる水拭きクリーナー「Dyson WashG1」(以下、WashG1)です。

現在直販サイトにて発売中で、直販価格は84,700円。10月7日より家電量販店などでもオープン価格にて順次販売スタートします。ところでこのWashG1、見た目は一般的な水拭き掃除機ですが、じつは他社とは大きく異なる点も多くあります。そこで、今回ダイソンにて実機をチェックしてきました。

2023年に発売したSubmarineとの違いは? “吸引”に注目

ダイソンに詳しい人なら、水拭き掃除機ときくと昨年発売した「Dyson V12s Detect Slim Submarine」(以下、Submarine)を思い浮かべるかもしれません。

じつは、Submarineはヘッド内部の水拭きローラーによる水拭きはできるものの、基本的に固形ゴミの掃除には向いていません。このため、ダイソンではSubmarineの水拭き機能を、掃除機で吸引掃除したあとの仕上げに位置づけています。

一方、WashG1は固形ゴミの掃除と水拭きを同時に行うことができる水拭き掃除機です。ただし、一般的な水拭き掃除機の多くが「床掃除の汚水と固形ゴミを全部まとめて吸引する」のに対し、ダイソンのWashG1はなんと「吸引」をしません。

本体ヘッドには2本のウェットローラーを配置しており、この両ローラーがそれぞれ内側に毎分250回転することで水拭きをしながら固形ゴミを回収するのです。

この「(通常の水拭き掃除機のように)吸引掃除をしない」という仕組みには複数のメリットがあります。たとえば、ゴミを吸い込んだ空気を排気しないため、排気の臭さに悩まされることがありません。

そして、床を拭いて汚れた水は汚水タンク、固形ゴミはトレーに分離されるため、水拭き掃除機としては使用後のゴミ捨てが格段にラク。一般的な水拭き掃除機のように「固形ゴミが混じった汚水」ではないため、固形ゴミを網などで分離させるという手間が必要ないのです。

充電スタンドでウェットローラーを自動的に水洗いする「セルフクリーニング」機能も搭載しています。このため、通常の汚れかたなら、掃除のたびにウェットローラーを外して毎回自分で手洗いする必要はありません。ダイソンによると、手洗いの頻度はとくに規定していないものの、掃除3回につき1回程度の手洗いを推奨しているそうです。

バッテリー表示などダイソンらしい使い勝手の良さも

WashG1はダイソンらしい使いやすさも随所に見られます。個人的に気に入ったのがハンドル部分に配置された液晶画面。WashG1は床材や汚れ方にあわせて4段階の給水レベルが選択できるのですが、液晶画面では現在の給水レベルや残り掃除可能時間の目安などをリアルタイムに表示。セルフクリーニング中であったり、エラーの内容なども液晶画面でわかりやすく知らせてくれます。

多くの水拭き掃除機はヘッドが大きいため、あまり角度がつけられません。このため、家具の下などの掃除が難しいのですが、WashG1は水拭き掃除機としては比較的ハンドルを大きく傾けられます。このほか、水タンクや汚水タンクが広口で掃除しやすいなど、細かな部分にも使いやすさを感じます。

WashG1は吸引掃除をしないため、固形ゴミの掃除性能は一般的な掃除機より少々不利。また、多くの水拭き掃除機よりは手軽とはいえ一般的な吸引掃除機より片付けには手間がかかり、小回りが効きにくいことは否めません。

とはいえ、実際に掃除をしてみると水拭き掃除もしたフローリング床のサラサラさは、吸引掃除だけでは味わえないスッキリ感。ハイハイする赤ちゃんや、床を汚す子供、ペットがいるなどでは「一度使ったら手放せない」と感じる家庭も多そうです。

子供がいるエリアや床が汚れやすいキッチンやダイニングテーブル下など、水拭きを重視したい所はWashG1、そのほかは軽くて小回りが効きやすい通常の掃除機など、使い方を工夫することで家庭掃除の大きな味方になってくれるのではないでしょうか。

倉本春 くらもとはる 生活家電や美容家電、IoTガジェットなど、生活を便利にする製品が大好きな家電ライター。家電などを活用して、いかに生活の質をあげつつ、家事の手間をなくすかを研究するのが現在最大のテーマ。 この著者の記事一覧はこちら

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