J.D. パワーの携帯電話サービス顧客満足度調査、MVNO/オンライン専用で首位が変動

J.D. パワー ジャパンは9月26日、2024年の携帯電話サービス顧客満足度の結果を発表した。業界全体の総合満足度スコアは1,000点満点中の625ポイントで、2023年から6ポイントの向上となっている。

○総合満足度は上昇傾向

部門別の総合満足度スコアを見ると、前年から低下しているのがオンライン専用ブランド/プラン部門(-3ポイント)で、その他は上昇と言う結果。2021年にこの調査が4部門で顧客満足度を測定するようになって初めて、MVNOがオンライン専用ブランド/プランを上回って部門別の総合満足度トップになった。ファクター別にみると、「各種費用」の評価がもっとも向上しており、一部事業者が実施した料金プランの値下げ施策、本年から新たに調査対象となった事業者(日本通信SIM)の価格に対する評価がMVNO部門全体の満足度を押し上げたとJ.D. パワーでは分析している。

携帯電話料金は官製値下げが始まった2021年以降、安価な料金プランが各事業者から提供されるようになり、「各種費用」についての満足度は上昇傾向にある。今回の調査でも、業界全体スコアは昨年の606ポイントから620ポイントへ14ポイントの上昇。この傾向を牽引しているのはMVNO(+14ポイント)と、意外に思えるが大手キャリア(+11ポイント)で、バリューキャリアは+3ポイント、オンライン専用ブランド/プランは-3ポイントと概ね横ばいだ。
○大手キャリア部門

大手キャリア部門の対象はドコモ/au/ソフトバンクの3ブランド。楽天モバイルはバリューキャリア部門での評価となる。順位は、1位ドコモ(605ポイント)、2位au(598ポイント)、3位ソフトバンク(597ポイント)の順。ドコモが最高評価となったファクターは「通信品質」「各種費用」で、auは「手続き・サポート対応」、ソフトバンクは「提供端末」で最高評価。「サービスメニュー」の評価はドコモとauが同点で並ぶ結果となった。

○バリューキャリア部門

バリューキャリア部門の対象はワイモバイル/UQ mobile/楽天モバイルの3ブランド。順位は、1位ワイモバイル(651ポイント)、2位UQ mobile(644ポイント)、3位楽天モバイル(635ポイント)という結果。ワイモバイルの部門1位は3年連続で、「通信品質」「サービスメニュー」「提供端末」「手続き・サポート対応」の4ファクターで最高評価を獲得。UQ mobileが最高評価となったファクターはなく、楽天モバイルが「各種費用」ファクターで最高評価となっている。

○MVNO部門

MVNO部門では、昨年の対象5ブランド(イオンモバイル/BIGLOBEモバイル/IIJmio/J:COMモバイル/mineo)に日本通信SIMを追加し、6ブランドで調査を行っている。そしてその追加された日本通信SIMが首位(715ポイント)を獲得。2位は昨年3位のイオンモバイル(668ポイント)で、昨年首位のIIJmioは3位(664ポイント)という結果になった。ファクター別にみると、日本通信SIMが最高評価となったのは「通信品質」「各種費用」「サービスメニュー」「手続き・サポート対応」の4ファクターで、「提供端末」ファクターはIIJmioが最高評価になった。

○オンライン専用ブランド/プラン部門

オンライン専用ブランド/プラン部門は、ahamo/povo/LINEMOの3ブランドが対象。順位は1位povo(680ポイント)、2位LINEMO(679ポイント)、3位ahamo(635ポイント)という結果で、昨年からpovoとLINEMOが入れ替わっている。ファクター別では、「各種費用」「サービスメニュー」「手続き・サポート対応」の3ファクターでpovoが最高評価、「通信品質」ではLINEMOが最高評価。

○調査概要

実施期間:2024年7月下旬~8月上旬 
調査方法:インターネット調査
調査対象:スマートフォンを利用している人(18歳~74歳)
調査回答者数 大手キャリア部門:9,300人、バリューキャリア部門:4,600人、MVNO部門:3,000人、オンライン専用ブランド/プラン部門:2,400人

総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターのユーザー評価を基に1,000ポイントを満点として総合満足度スコアを算出した。総合満足度を構成するファクターとその影響度は、「通信品質」(29%)、「各種費用」(27%)、「サービスメニュー」(21%)、「提供端末」(12%)、「手続き・サポート対応」(11%)となっている。ファクター別の影響度は、昨年よりも「サービスメニュー」の影響度を1ポイント上げ、「提供端末」の影響度を1ポイント上げている。

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