トランプ政権復活でイーロンはウハウハ。自動運転業界に追い風
トランプとマスクのお互いを助けるビジネス関係...。
次期大統領ドナルド・トランプ氏は、アメリカの道路で自動運転車の普及を広げるための道を整えていこうとしているとの動きがあるそうです。これは選挙中にトランプを応援しまくり、次期政権政府の高官にも任命されたイーロン・マスクにとってウハウハなことでしょうね。
連邦政策がこれからは必須
ブルームバーグによると、トランプに近い顧問たちは、自動運転車両に関する連邦規制の枠組みを整備したいと考えているとのこと。ロボットタクシー産業はこの数年間で飛躍的な成長を遂げていますが、連邦政策に関してはものすごく遅れをとっている状態。
現在、国家道路交通安全局は、認可された企業が年間最大2,500台の自動運転車を展開することのみ許可していますが、自動車メーカーはこの数をもっと増やしてほしい、そしてもっとシンプルな規制コードを望んでいると考えられています。連邦が行動しないため、政策は主に州レベルで実施されていて、企業が遵守しなければならない規制が複雑でたくさんになってしまっている状態なんです。
トランプ次期政権のホワイトハウスは、自動運転車両に対して合理化された規制の道筋を作り出す可能性もありますが、ブルームバーグによると、ロボットタクシー産業へのドアを開くような行動のためには、議会の承認が必要になるとのことです。「超党派の法案」は現在協議されているものの、まだ初期段階であると伝えています。
政府高官になったマスクの利益
ブルームバーグによると、政府効率化省(DOGE)のトップに就任したイーロン・マスクは、政府が自動運転交通の規制緩和を決定した場合、大きな利益を得ると報じています。
マスクはテスラを通じてロボットタクシーサービスを開始する計画があることを表明していて、今後数年間でさらに自動化と無人運転の方向へと転換させていくつもりのようです。
10月にマスクはステアリングホイールやペダルのない「サイバーキャブ」と呼ばれるロボットタクシーのプロトタイプを公開しています。その発表会で、マスクは2026年にも早くもテキサス州とカリフォルニア州で「完全自動運転、無人監視」の運転展開を計画していると述べました。
マスクのこの動きは、現在のロボットタクシー企業との競争を有利にするための戦略と見られています。具体的なライバルは、ロボットタクシー企業Waymoを所有するGoogle(グーグル)の親会社Alphabetや、Cruiseを所有するGeneral Motors社。
WaymoとCruiseは、過去数年間、規制の障壁を乗り越え、特にカリフォルニア州、テキサス州、アリゾナ州で無人運転車の展開を加速させるため、大きな努力を重ねてきた企業です。配車サービス大手のUberもロボットタクシー事業への参入を目指していて、WaymoやCruiseとパートナーシップを結んでいます。
トランプが電気自動車の税額控除を廃止する計画を発表したことなども、マスクにとって潜在的な利益になると噂されています。
バイデン政権ではうまくいかなかったテスラ
バイデン政権下では、マスクは規制当局からの監視強化に苦しんでいました。これはテスラの自動運転への注力も原因ではあり、またマスク自身が規制を好まないことによるのも要因の1つでした。
テスラの看板商品である完全自動運転(FSD)は、運転手の操作を代替するのではなく、ソフトウェアによって補助するもの。FSDを使用中のテスラ車がオートバイの運転手を死亡させる事故が発生し、これを受けて10月に米国道路交通安全局による調査が発表されました。しかし、テスラは他にも多くの調査対象となっていて、10月時点で少なくとも20の連邦調査の対象となっていたと報じられています。
マスクが次期政権で影響力のある役割を果たすと言われる現在、マスクの規制上の問題は解消されるだろうと予想する向きもあります。実際、政府効率化省(DOGE)で、マスクはかつて自分自身を監視していた機関を監視する立場になることもあるそうです。
一部の評論家は、マスクの事業と連邦政府との関係による多数の利益相反のため、さまざまな倫理法がマスクの政府効率化省指揮能力を制限する可能性があることも指摘しています。とはいえ、トランプ新政権はこういった利益相反は特に気にしていない様子ですね。
11/21 10:00
GIZMODO