やっぱりAppleはゲーミングに本気。専用キーボード&マウスを限定販売
CORSAIR製をMacの色にしただけのもの…ではあるけど。
Apple(アップル)は2023年〜2024年と、ゲーミング界のニューフェイスとしてふるまってきました。でも、Apple自身も、『Baldur's Gate 3』をMagic KeyboardやMagic Mouseでプレイしてねとは言えなかったようです。AppleはCORSAIR(コルセア)とパートナーシップを組んで、彼らのゲーミングキーボードとマウスのMac仕様版を、Apple Storeで限定販売してるんです。
初のMac仕様ゲーミングキーボード&マウス
CORSAIRはメカニカルキーボードK65 Plusと、ワイヤレスマウスM75のMac仕様バージョンを発売しました。価格はそれぞれ179.95ドル(約2万8000円)と129.95ドル(約2万円)です。
というか、CORSAIRのプレスリリースにもあるように、基本的にはMac専用色ってだけで、中身は既存のK65 PlusやM75とほぼ同じなんですが、キーボードの配列もMacと同じになってるのがポイントです。カラバリはグレイシャーブルーとフロスト(白)で、前者はApple Store限定、後者はオンライン限定での販売になっています。
もちろん今までだって、CORSAIRを含めてサードパーティのキーボードをMacにつないでゲームはできたし、キー配列をMacレイアウトに変えることも可能でした。でも、Appleがサードパーティの周辺機器をこういう形でプロモートするのは珍しく、まるでゲーミングへの本気度を示そうとするかのようです。
CORSAIRはこの記事のために、米GizmodoにMac用のK65 PlusとM75を提供してくれました。K65 Plusは75%サイズのキーボードで、シャーシは静音を考慮した3層設計、キーはホットスワップ可能です。
キースイッチにはCORSAIRブランドのMLX REDスイッチを使っていて、押下圧は45g、キートラベルは4mm。抵抗感もちょうど良く、ただ指を置いただけでキーを押してしまうことはありません。カチャカチャ音は出るんですが、うまく吸収されていて、周りの人にウザがられるほどではないです。
ただ、作りはしっかりしているものの、高級メカニカルキーボードに慣れている人には、プラスチックっぽく見えるかもしれません。あとはCORSAIRはキーボードやマウスの設定とかファームウェアアップデートに、iCueというソフトウェアを使ってるんですが、Macユーザーはこういうゴチャゴチャした専用ソフトウェアに慣れてないかもしれませんね。PCゲーマーの世界へようこそ。
左右両利きマウスのM75もがっしりした感じです。ホイールも左ボタンもちょうど良い感触ですが、右ボタンはすぐカチっと返ってくる音がなくて、若干肩透かしでした。でも、ざっと使った感触としては、タフで反応が良いです。
で、Macでプレイできるゲームとは?
記者はふだんWindowsマシンでゲームをしてるので、「K65 Plusを使っている間はControlキーじゃなくCommandキー!」と自分に言い聞かせ続けてました。
でも『Baldur's Gate 3』をプレイするときなどは、反射的にControlを探してしまいます。でも『バイオハザード4』では、Apple純正のどんな方法より、K65 Plusでプレイする方がはるかに良かったです。
ただこういうゲーミング特化の周辺機器を必要とするのは、どっちかというとeスポーツ系のタイトルです。でも残念ながら、Macでプレイできるシューティングゲームで、これ!というものがないんですよね。『Counter-Strike 2』も、『Call of Duty』はないんです。『League of Legends』をMacでプレイする人はこれから増えるかもしれませんが、全体的にはMacでのゲームに専用キーボードやマウスが必要という感じはしません。
それに、CORSAIRとAppleがパートナーシップを組んだ割に、K65 PlusとMacのペアリングはApple純正品ほど簡単にできません。Magic Keyboardみたいに自動検知はしてくれず、接続にはBluetoothかケーブル、または同梱の2.4GHzドングルが必要になります。
しかも最近のMacには、Mac miniみたいにポートがたくさんあるマシンでさえ、USB-Aポートがありません。なのでそのドングルを使うために、AnkerブランドのUSB-A to USB-Cアダプターも同梱されています。キーボードやマウスの設定を変更するときは、このドングルかケーブルでの接続が必要になりますが、USB-C to USB-Cケーブルも同梱されてるし、まあ大丈夫でしょう。
そんなわけで、Mac仕様として初のゲーミングキーボード&マウスであるK65 Plus&M75は、あまたあるサードパーティーのものとそんなに変わりありません。それでもMagic KeyboardやMagic Mouseを使うくらいなら、こっちの方が良いと思います。特にMagic Mouseなんて、Appleのティム・クック CEOでも褒め言葉に詰まるくらいなので。
AppleはMacで『Frostpunk 2』がプレイできるとか、来年早々に『Cyberpunk 2077』ができるとか言ってますし、他にも準備中のゲームがあります。先日Appleが開催したゲーミング系プレスイベントでは、 12月3日リリースの『Prince of Persia: The Lost Crown』とか、12月10日リリースの『バイオハザード2』のリメイクとかをプロモートしてました。
ただ、『Control』は2025年2月まで待たなきゃいけないし、『Cyberpunk 2077』はリリース日も未発表です。一応『Cyberpunk 2077』には、Phantom Liberty拡張パックもちゃんと入ってるとAppleの人が確認してくれました。『Neva』とか『鳴潮』といったタイトルも予定されていますが、このへんはゲーミングキーボードやマウスを使うメリットがありません。
…そんなわけで、みんながMacにゲーミングキーボードをつないでガンガンプレイしまくるような未来まで、まだまだ道のりは遠そうです。
11/20 10:30
GIZMODO