写真撮って見せるだけ。Claude AIと一緒に「自宅の防災」を考えてみた
Lifehacker 2024年10月25日掲載の記事より転載
グラッときたときに備えて、今すぐできること。
ふだん何気なく暮らしている住環境にも、地震によって家具などが倒壊するリスクは潜んでいるものです。
しかし、慣れ親しんだ環境だからこそ、あらためて防災対策の観点から見直しを図るのは面倒ですし、ついつい後回しにしてしまいがち。
そこで、AIの力を借りて防災対策の改善を試みたのがコチラの記事です。
「防災対策の正解」をAIに教えてもらったら、想像以上に優秀だった。写真を撮って見せるだけ | ライフハッカー・ジャパン
AIに写真を見せるだけ
やり方は簡単で、写真を撮ってAIに見せるだけ。瞬時に回答を得ることができます。
前回の記事では、職場での家具の配置や動線について防災観点からAIに分析してもらった結果、防災グッズを使った具体的な対策方法にたどり着くことができました。
使用したAIは Claude 3.5 Sonnet。Googleアカウントをお持ちであれば、ログインして無料で使えます(ただし1日あたりの使用制限あり)。
今回は、在宅時に長時間を過ごしているリビング・キッチン・寝室に潜むリスクと改善点を、前回と同じ手順でClaudeに分析してもらいました。
Claude AIを使うコツ
AIを使った防災対策の手順は以下です。
(1)防災対策が気になっている場所の写真を撮影する。この際、家具と床の設置面を含め、全体が写るようにするとベター
(2)Claude 3.5 Sonnet にログインし、画像をアップロードしてプロンプトを入力する
(3)さらに深掘りしたいときは、AIとの対話を続けるために返答や追加の質問を入力する
Claude は日本語に対応しているので、プロンプトは日本語入力で問題ありません。前回に引き続き、今回利用したプロンプトはこの1文でした。
この写真の部屋を防災的な観点から良い点、悪い点を教えてください。改善点がある場合は、その方法についても教えてください。
では、さっそく見ていきましょう!
リビングルームの本棚
まずはリビングルームの一角を占める本棚の防災リスクと改善点について、Claudeに聞いてみました。
すると回答はこのような感じ。
驚いたのは、本棚が壁に固定されていることを的確に読み取っていたところです。回答を得るまでにかかった時間もほんの数秒でした。
主なデメリットとして挙げられたのは、観葉植物の転倒リスク・窓ガラスに飛散防止フィルムを貼っていない・非常用品や防災グッズが見当たらない、この3点でした。これらの問題点に対して、8つの改善方法も提示されました。
ここで、
ありがとうございます。
とClaudeにお礼を返してみました。すると、上記の改善方法に加え、さらに具体的な対処法が提案されました。
1.ランプを地震対策用のクリップ式に変更する
2. 災害時に備えて携帯式のソーラーチャージャーを窓辺に用意しておく
3. 本棚の空きスペースを利用して防災用品を収納する
4. 観葉植物を吊り下げ式の軽量なものに変更する
個人的には最後の4つの改善点がもっとも具体的で、すぐにでも行動に移せる内容だと感じました。
キッチンは改善点だらけ
次に、キッチンの防災対策についてClaudeに分析してもらいました。
良い点もいくつか挙げられたものの、圧倒的に多かったのは改善すべき点でした。
1.上部の棚に重いものや割れやすいものが置かれており、地震時に落下の危険があります。
2.棚や家電製品の固定が見られず、地震時に転倒する可能性があります。
3.通路や作業スペースに物が多く、避難時の妨げになる可能性があります。
4.明確な防災用品や非常用バッグが見当たりません。
ごもっとも…と言わんばかりの正論だらけですね。
では、キッチンをより安全な場所にするために、どのように改善すればいいのでしょうか?
Claudeが提案した改善方法はコチラ。
・重いものや割れやすいものは下段に移動させる
・大型家電をL字金具などで固定する
・食器棚の扉に耐震ラッチを取り付ける
・飛散防止フィルムを貼ること
加えて、今週末にでも実行に移したいと思えるほど具体性のある改善案も提案してくれました。
・冷蔵庫にマグネット式のLEDライトを付けておくと停電時に便利
・災害時にも役立つ電子レンジや炊飯器を安全に使用するために、携帯発電機や蓄電池の準備を検討する
・キッチンラジオを設置する
・除菌スプレーや使い捨て手袋などを常備しておく
就寝時の安全を確保
在宅中にもっとも長い時間を過ごしているのは寝室…という方も多いかもしれません。筆者も然りです。それだけに、ベッドまわりの防災対策は最優先事項。
Claudeからは、このようなアドバイスをもらいました。
・整理整頓する
・家具をL字金具で壁に固定する
・本棚に転倒防止器具や滑り止めを設置して本の落下を防ぐ
・部屋の出入口付近に避難用のスリッパや懐中電灯を配置する
そして、先ほど同様にClaudeにお礼をしてみたところ、さらに踏み込んだ内容の改善方法が提示されました。
1.デジタルデータの保護:パソコンやデジタル機器が見られますので、重要なデータのバックアップを定期的に行い、クラウドストレージなどにも保存することをおすすめします。
2.多機能な備品の活用:デスクライトは可動式のものを選び、停電時に懐中電灯として使用できるようにするのも良いアイデアです。
3.緊急時の通信手段:スマートフォンの充電器や携帯バッテリーを常に手の届く場所に保管し、緊急時の通信手段を確保しましょう。
4.知識の更新:本棚に防災関連の書籍を加え、定期的に読み返すことで、最新の防災知識を身につけることができます。
5.個人の健康管理:必要な薬やメガネなどを含む個人用の非常袋を作成し、すぐに持ち出せる場所に保管しましょう。
6.コミュニティとの連携:壁に地域の避難所マップや緊急連絡先リストを貼っておくと、いざというときに役立ちます。
7.心の準備:防災対策は物理的な準備だけでなく、心の準備も重要です。時々、災害時のシナリオをイメージし、冷静に対応できるよう心の準備をしておくことも大切です。
なるほど! と思える提案ばかり。
特に、デジタルデータの保護・緊急時の通信手段の確保・個人の健康管理に関しては盲点だったので、AIの客観性が大きな気づきを与えてくれました。
AIを防災対策に使うメリット
今回Claude AIを使って自宅の防災対策を分析してみて、その手軽さを実感しました。
なにしろ写真を撮ってプロンプトを入力するだけなので簡単・時短。
また、追加の質問を重ねていくことで、さらに詳しく知りたいことや具体的な実践方法などについても調べられることに魅力を感じました。
今後はさらなる活用法として、親や親戚にそれぞれ気になっている部屋の写真を送ってもらい、一緒にClaudeを使って防災対策を検討することも考えています。
写真を見ながら防災対策を講じていけば、リモートでも具体的なステップへと進めそう!
Claudeも「家族との共有」を勧めていますし、
この写真を基に、家族で防災について話し合う機会を持つのも良いでしょう。各自の役割や、必要な物の置き場所を決めておくことで、いざというときの行動がスムーズになります
と言っていますよ。
防災対策は一日にして成らず。日々の生活のなかで少しずつ改善していくことが大事ですね。
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Photo: 山田ちとら
11/19 14:35
GIZMODO