GPTsより手軽かも。Gemini「Gems」のメリット・デメリット

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Image: Shutterstock

Lifehacker 2024年9月18日掲載の記事より転載

Googleが開発する大規模言語モデル(LLM)「Gemini」に、新たな機能「Gems」が追加されました。

Gemsは、Geminiの能力を特定のタスクや目的に合わせてカスタマイズできる機能です。この記事では、Gemsの基本的な使い方から、ChatGPTのGPTsとの違いまで解説します。

GPTsよりも気軽に専用botを作成できるのが魅力

Gemsは、あらかじめ前提条件を設定しておくことで、回答をカスタマイズできる機能です。繰り返し使うプロンプトを入力せずに、特定のキーワードを入力するだけで意図した回答を引き出すことも可能です。

ChatGPTのカスタムAI「GPTs」のGemini版とも言えるでしょう。2024年9月11日時点では、Gemsを作成できるのはGemini Advancedの有料ユーザーのみとなっています。

では、実際にGemsを作成してみましょう。

1. 「Gemマネージャー」を作成する

Geminiを立ち上げたら、「Gemマネージャー」を選択します。

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画面が切り替わるので「Gemを作成」をクリック。

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Gemを作成する画面へ移動します。

2. カスタム指示を入力する

Gemの名前を入力し、カスタム指示の部分に、Gemの用途や機能、回答の仕方などを入力していきます。

試しに翻訳botを作ってみました。画面の右側では意図通りに回答が生成できるかどうか確かめることができます。

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完成したら「保存」を選択します。

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3. 作成したbotを活用する

Geminiのホーム画面に戻ると「Gem」の項目に作成したGemsが表示されます。

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筆者は、他にも時差計算botや記事のドラフト作成botを作ってみました。国名と日付、時刻を入力するだけで変換してくれます。

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botのカスタマイズを自動化することも

Gemsのカスタム指示を作成する際、プロンプトの入力を手助けしてくれる機能があります。作りたいGemsの説明を入力したあと、ペンのアイコンをクリックすると、自動で詳細な指示にカスタマイズできます。

また、Gemマネージャーのトップ画面では、特定の目的に特化したプリセットが表示されているので、自作しなくてもすぐに活用できるGemsもあります。

現在は5つのプリセットしか公開されていないので、目的に合うプリセットがあれば、GPTストアから探すよりも時短になるかもしれませんね。

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GPTsと比較したときのメリット・デメリット

ChatGPTをカスタマイズできるGPTsと比較すると、GeminiのGemsのメリット・デメリットが見えてきます。

メリット

まず、メリットとしてはGPTsよりも簡単にbotが作成できることです。

カスタマイズする過程で画面を切り替える必要がなく、前提条件を設定して出力を確認するというシンプルな仕組みで作成ができます。特に複雑な前提条件を付与しないタスクであれば、Gemsで十分事足りると感じました。

これは通常のGeminiにも備わっている機能ですが、生成された内容をすぐにGoogleドキュメントやGmailの下書きにエクスポートできるので、作業によっては次の工程をシームレスに進められるでしょう。

デメリット

一方デメリットは、ナレッジを追加できないことです。GPTsなら、botの作成時にファイルを読み込ませて、より専門的な回答ができるようにカスタマイズできます。

また、GPTsなら作成したbotをURLで共有できましたが、今のところGemsにその機能は実装されていません(2024年9月11日時点)。

とはいえ、気軽にbotを作成できるのがGemsの魅力。定期的に処理する専門性を伴わないタスクは、Gemsに任せてもいいでしょう。

Gemini Advancedユーザーの方は、ぜひGemsを活用して、日々の業務効率化や創造性向上に役立ててみてください。

Photo: 重田信
Source: Google

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