現実的になってきた宇宙旅行。でも、気になる衛生面はどうする?

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Image: サイエンス

宇宙開発が政府主導から民間にも開かれるようになりました。

これが意味することをみなさんは実感したことありますか? 

私は、選ばれしエリートしか宇宙に行けなかった時代から、民間人でも宇宙に行ける時代になった、くらいの漠然とした理解だったのですが、もっともっとワクワクする時代の幕開けを意味していたんです。

民間人は宇宙に快適さを求める

宇宙飛行士になるためには、体力や頭脳はもちろん、長期間にわたって狭い空間に閉じ込められることで発生するストレス耐性や、その空間で同じ人たちと円滑に過ごすための高い社会性が求められます。

でも、民間人は違います。長期間かけて特別な訓練もしていないし、そもそも大金を払って宇宙に行くのだから、宇宙ステーションでも快適に過ごしたいと思うのでは。

そこで対応しなければならないのが、衛生面

ISSに滞在する宇宙飛行士は、ドライシャンプーを使ったり、水を使わずに飲み込める練り歯磨き粉を使ったり、体をタオルで拭いたりして工夫しながら生活しています。

そうしなければならないのは、資源が貴重という他に、宇宙ステーションが研究施設であり宇宙飛行士の快適さは二の次にされてきたから。また、無重力空間における水の扱いが難しく、一歩間違うと大事故になる恐れがあるからなんです。(映画『パッセンジャー』を見た方なら、宇宙船内のプールが無重力で暴走したシーンを覚えているでしょう)。

民間人が宇宙ステーションに行くなら、シャワーくらいは浴びたいはず。それに、長期運用を考えるならステーション内のニオイ対策も必須。なにせ、ISSは体臭と食べ物とカビが混ざったようなニオイがするらしいので…。

というわけで作ってます。宇宙で使えるシャワーを。

高級シャワーで知られる「ミラブル」が挑む宇宙シャワー

超微細な気泡「ファインバブル」を出すシャワーヘッド「ミラブル」で知られる株式会社サイエンスは、宇宙飛行士の訓練やケアをする有人宇宙システム株式会社(JAMSS)と協力して、宇宙空間でも使えるシャワーを開発中です。

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Image: サイエンス

ミラブル技術は、少ない水で効果的に洗浄できるので、少ない資源の中で活動しないといけない宇宙ステーションとの相性がバッチリ。

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Photo:中川真知子

2023年には沖縄県宮古島で、バルーンをつかってシャワーブースに見立てたカプセルを地上約3万メートルまで上昇させ、落下時の擬似無重力状態で水が出るか実験し、成功させているんです。

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Photo:中川真知子

2030年前後には商業宇宙ステーションなどでサービス提供を目指しているみたい。6年後には人間が宇宙でシャワーを浴びれるんです。すごくないですか?

宇宙技術は私たちの課題も解決してくれるぞ

宇宙ステーションで使う衛生関連用品の開発は「宇宙シャワー」に限りません。

化粧品メーカーのPOLAは、乾燥する空間でも水を使わず保湿してくれるスキンケア製品「COSMOLOGY(コスモロジー)」を開発しました。

久光は、閉鎖隔離空間でのゴミ問題やニオイ対策のために、特殊活性炭を含んだ消臭シート「Odorleship」を開発しました。衣類の内側やトイレの壁などに貼るだけで消臭してくれます。

グンゼの「Triporous:Space QOL Seriesリラクシングウェア」と「Triporous:Space QOL Series インナーウェア」は、ソニー開発の多孔質カーボン素材トリポーラスを生地に採用することで驚異の消臭力を実現させました。

宇宙飛行士の快適な生活をサポートするのはもちろんですが、民間人が今よりもっと気軽に宇宙に行くようになるからこそ、こういった製品の開発が急ピッチで進んでいるわけ。

そして、その高機能を備えたアイテムは、宇宙に行かない私の生活も豊かにしてくれるはずです。実際、手が届く価格で販売されているんですよ。民間宇宙ステーションが本格始動を始めるまでの間、いろんな製品が出てくる予感。

宇宙開発、目が離せませんよー。

Photo: 中川真知子

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