NASAアルテミス計画では「プラダを着た宇宙飛行士」が華麗に活躍する
有人宇宙飛行&月面着陸をミッションとするNASAのアルテミス計画。
NASAのパートナーで民間宇宙企業のAxiom Spaceが、アルテミス計画で着用される次世代宇宙服「AxEMU」を公開しました。宇宙服制作で協力したのは、ラグジュアリーブランドのプラダ。
プラダを着た悪魔…ではなく宇宙飛行士
アルテミス計画の一環、アポロ計画以来初となる月面歩行のための宇宙服の開発を、NASAがAxiom Spaceに依頼したのは2022年のこと。その後、初期の2億2850万ドル(約340億円)の契約のもと、最初に公開された次世代宇宙服AxEMUは黒いデザインでした。この黒いレイヤーは、独自技術を隠すためのもの。
一方、今回公開されたのは、熱を反射して宇宙飛行士を月面の塵から守る白い素材。宇宙服の機能(宇宙服に組み込まれたヘルスモニタリング、冷却システム、宇宙飛行士の視界を補助するバイザーとヘルメットのコーティングなど)をすべて見せるデザインになっています。
次世代宇宙服AxEMUは、月面調査の上で、宇宙飛行士がより動きやすく、かつ安全性を強化するよう設計されています。また、多種多様な人々が着用できるよう、サイズや調整オプションが多いことも特徴です。
ファッションのプロによる宇宙服
宇宙服プロジェクトにおいて、プラダはデザインや素材選び、月面における宇宙飛行士の美しさなど、ファッションのプロとしてAxiom Spaceに協力。
プラダ創業者の曾孫で、プラダグループCMOのロレンツォ・ベルテッリ氏は、プレスリリースにてこう語っています。
「本日、お見せする結果をとても誇りに思っています。
高性能な素材、機能、縫製技術について、私たちの専門知識や技術を提供し、また私たちも多くを学ぶことができました」
プラダの宇宙服は2026年に宇宙へ
宇宙服AxEMUは、2026年9月打ち上げのアルテミス3で着用される予定。今現在の宇宙服AxEMUは、ほぼ開発最終ステージ段階だそう。
Axiom Spaceの船外活動部門担当ラッセル・ラルストン氏は、「我々が開拓している宇宙探査の新時代では、宇宙商業化におけるパートナーシップは必要不可です。今回初めて、宇宙でのより良いソリューションを生み出すため、他業種の力を大いに借りることができました」と語っています。
Source: Axiom Space
10/21 21:00
GIZMODO