TDKの全固体電池、なんとオーブンで焼いても壊れない
電池が熱に弱い? 過去だね。
みたいなことになりそうな「未来の電池」、見つけちゃいました。
一般的に電池は熱に弱いもので、液漏れや破裂などのリスクに加えて、充電サイクルの劣化も早める原因になります。しかし、この弱点も電池は克服しつつあります。
こちらはCEATEC 2024のTDKブースで展示されていた、CookPerfect社のワイヤレス肉用温度計。灼熱のオーブンの中で肉の温度をチェックできる温度計を実現させたのが、TDKの全固体電池「CeraCharge」です。
温度計内部にはサーモセンサーに加えてBLE通信モジュール、そして全固体電池(充電式)を内蔵。
電源を小型で安全性の高い全固体電池から取得することで、肉の温度・火のとおり具合を、オーブンを開け閉めせず、無線で確認(リアルタイム肉モニタリング!)できるようになったというのです。僕、クッキング業界には疎いんですけど、これってひょっとして革命的なのでは?
ちなみに、この全固体電池の動作温度はマイナス20度から80度。オーブンの温度は200度〜250度くらいまで上昇しますけど、肉の中の温度はそこまで上がらないので、動作温度内に収まるとのこと。なるほどねぇ。
次世代Gen2モデルはまさに「未来の電池」になりそう
「オーブンに入れられる電池」とか。ここまででもとても信じられない話なんですけど、さらに信じられない話が続きます。新たに開発した第2世代は、エネルギー密度100倍らしいです。
…は? ひゃくばい?
温度計に実装されている第1世代「CeraCharge Gen1」のエネルギー密度は10Wh/Lなんですけど、新開発された第2世代の「CeraChage Gen2」ではエネルギー密度を100倍の1000Wh/Lまで向上。パッケージングされた状態でも750Wh/L(75倍)となります。
もう倍率がぶっ飛んでてよーわからんことになっていますが、ガンダムにたとえると「ボールの新型を作ったよ」と言われてデンドロビウムが出てくるレベルです。
このエネルギー密度になってくると、ワイヤレスイヤホンや補聴器、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスのリチウムイオン電池や、コイン電池の代替として、安全性の高い電池としての可能性も見えてきそう。
うーん…トンデモねえもん作っちゃってませんか? TDKさん…。
Source: CEATEC 2024, TDK
10/18 16:00
GIZMODO