分割の可能性も。米司法省が示したグーグルへの厳しい独占是正案

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Image: Ascannio / Shutterstock.com

Google「おいおい行き過ぎでは…」。

米司法省は8月にGoogle(グーグル)に対する独占禁止法違反訴訟に勝訴し、今回Googleの検索に対する独占解消に向けた計画を連邦裁判所に提出しました。その計画の中には、事業分割のプランも選択肢に含まれているとか。

米司法省の「過激」な計画とは

この計画文書は、独占禁止法違反訴訟が審議されたワシントンD.C.の連邦裁判所に提出されたもので、Googleの過去の反競争的な行為の是正を求めるだけでなく、生成AIによる検索など、新しいテクノロジーを不公平に支配することを防ぐ目的も含まれています。

この計画におけるGoogleの独占解消のための最初のステップは、AndroidやChromeのデフォルトの検索エンジンとしなければならない契約内容や、不公平な収益分配契約を「制限または終了」させるものらしいです。また、Googleの親会社であるアルファベットに対しては、強制的にAndroid部門やChrome部門を分割することも示唆されています。

Googleの検索ツールは、ウェブクローラーがインデックスした超膨大なデータと、ユーザーが一番最初に見る結果を優先するランキングアルゴリズムでできています。司法省の計画では、これらのインデックスや検索結果,ランキングシグナルなどの他社への開放も検討されていて、AI検索も含みます。

司法省は述べています。

「Googleの支配的な力を利用して人工知能機能を強化することは、競争の障壁となり、Googleの独占をさらに強めるリスクがある」

さらに救済措置として、Googleの競合する検索エンジンがウェブサイトにアクセスできないようにする契約をWebメディアが結ぶことを禁止したり、さらにWebメディアは自社コンテンツをスクレイピングされてAI要約に使われることを拒否できる措置も含まれるとのこと。

司法省が提案する措置は、インターネット検索による広告から生まれる利益を広く分配し、Googleが支配する巨大なエコノミクスに押しつぶされることなく、小規模な事業者でも市場に参入しやすくすることを目的としています。

もちろんGoogleは反発

Googleは、この司法省の計画を「行き過ぎている・過激」と表明。「急速に変化する業界での政府の過剰な介入は、アメリカのイノベーションや消費者にとって望まぬ結果を招く可能性がある」と主張しています。

米司法省の計画が遂行されるなら、数十億台のデバイスのデフォルトの検索エンジンがGoogleではなくなったり、Googleの検索テクノロジーが競合他社でも使えるようになることで、検索業界が大きく変わりそうです。

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