今週末またオーロラが? 大規模な太陽フレアで磁気嵐注意報が発令中

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10月1日に観測された、強い太陽フレア
Image: NASA/SDO

米国では磁気嵐注意報発令中!

5カ月ほど前、太陽嵐(※1)の影響で日本各地でオーロラが見られましたが、そんな太陽嵐がまた起きてます。アメリカ海洋大気庁(NOAA)が10月1日に強い太陽フレア(※2)を観測し、そこから発生する太陽嵐が今後週末にかけて地球に届きそうだと注意報を出しています。…ということは、地域によってはまたオーロラが見られるかもしれません。

NOAAの宇宙天気予報センターによれば、磁気嵐(※3)注意報が出ているのは10月3日から5日で、嵐の強さはG1(弱い)〜G3(強い)となっています。

※1 太陽フレアで発生した太陽風に含まれた電磁波や粒子などが人工衛星や地球に影響を及ぼす現象

※2 太陽の表面でおきる大爆発

※3 地球の磁場が急激に変動する現象。太陽フレアの影響で引き起こされることが多い

磁気嵐は、太陽表面でのフレアなどの爆発からプラズマが発生して宇宙に放たれることで発生します。10月1日、過去数年で2番めに強い太陽フレアが観測されていました。フレアの強さは、弱い順からA・B・C・M・Xにクラス付けされ、さらにクラス内での強さを表す数字を付けた形で記述するんですが、1日に起きたフレアは「X7.1」と最強クラスです。今年5月のものほどではないんですが、それに次ぐ規模だそうです。

またNOAAは、このフレアがCME(コロナ質量放出)につながった可能性があるとも警告しています。CMEとはプラズマなどの太陽粒子が大量放出される現象で、その粒子は地球にまで到達するんですが、太陽光と違って光速では飛んでこないので、放出から2〜3日かかります。

NOAAはこのCMAが地球に必ず到達するとは言い切っていませんが、10月3日から5日の間に磁気嵐が「起こりそう」とし、その強さは「磁場の方向に依存する」とのことです。

地上にどんな影響が?

嵐というとちょっと心配になるかもしれませんが、人間には直接影響はありません。リスクがあるのは繊細な電気システム、たとえば電力グリッドとか衛星といったものです。でもNOAAいわく、こうした脅威は「限定的」で「軽度」、「ほぼ緩和可能」です。

一方良いニュースは、CMEが起こると地球上でオーロラが見られるかもしれないことです。NOAAによれば、米国北部の州だけでなく、中西部の南の方や、西海岸ではオレゴン州あたりまで見られる可能性があります。ちなみに日本での観測可能性については、この記事翻訳時点では国立天文台情報通信研究機構宇宙天気予報センターのような研究機関の公的発表はまだ出ていないようです。

太陽活動は周期的で、約11年ごとに盛り上がりと収束を繰り返しています。今はその周期発見以来25回めのサイクルの真ん中で、10月1日のフレアは今のサイクルが始まった2020年以来2番めに強力でした。2020年当時は、このサイクルがここまで強力になるとは思われてませんでしたが、実際は大規模な事象が多く観測されています。とくに今年5月の磁気嵐の強さは「G4」(非常に強い)で、これによって日本など緯度の低い地域でも各地でオーロラが観測されました。

NOAAはまた、1日のフレアの性質は「突発的」、つまり強度が急速に上昇・下降していて、ある程度独立した事象だったと見ています。太陽の気まぐれでオーロラが見られるかどうか、週末の夜空に注目です。

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