脳にNeuralinkのチップを埋め込んだ被験者、早くもビデオゲームをプレイ

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手術も経過も良好!

イーロン・マスクが率いるNeuralinkは、脊髄を損傷してしまった人の脳にコンピューターチップを埋め込むというスタートアップ。コンピューターと直接インターフェースし、思考でコンピューターをコントロールできるようにするのがNeuralinkの目標となっています。

2人目の被験者であるアレックスさんは、すでにネット閲覧やCADソフトウェアFusion 360での物作り、さらにはビデオゲーム「Counter-Strike 2」までできているとのことです。

本人も大感激

Neuralinkはブログ投稿でアレックスさんのチップ使用体験の詳細と進捗を説明しています。投稿によると、アレックスさんは脊髄損傷を負う前はものづくりが好きな自動車整備士で、Neuralinkを使用して2日目にFusion 360でNeuralinkチャージャーのマウントをデザインし、3Dプリントした んだとか。アレックスさんは「これがしっかり機能していることにもう今の時点ですごく感動しています」と述べているそう。

そしてCAD だけでなく、ビデオゲームまでプレイできてしまっているアレックスさんの様子もYouTubeで公開されています。チップを入れる前は口で操作できるコントローラーQuadstickを使ってプレイしていたとのこと。

思考でゲームを操作

「ゲームでただ走り回るのさえもすごく楽しいです。左右を見回すことができ、Quadstickを左右に動かす必要がないからです。見たい場所を考えるだけで、そこに視点が移動するんです。信じられません」とアレックスさんは語っています。

経過が順調なアレックスさんはNeuralinkのチップを入れた今年2人目の被験者ですが、1人目はノーラン・アーボーさんという方でした。ノーランさんはこの治療を受けられてラッキーだったと語っていて、思考でコンピューターを制御できるようになってビデオゲーム「Civilization VI」を徹夜でプレイしたことも。8時間連続でゲームをプレイして、頭の中に入っているNeuralinkの電力が全部なくなったそうです。

糸の収縮が起こったけれど修復

ただ、ノーランさんの場合はちょっとしたハプニングもありました。脳に埋め込んだチップの一部の糸が収縮し、脳とデバイス間の通信中にデータ損失が発生。しかしチップを動かすプログラムを調整することでこのデータ損失を修復できたとNeuralinkは説明しています。アレックスさんの手術中には同じことが起こるのを防ぐための対策を講じたそうで

「糸の収縮の可能性を減らすため、私たちは手術中の脳の動きを減らしたり、インプラントと脳表面の間隔を狭めたりして緩和策を実施しました」とブログ投稿で説明されています。その成果があってか今のところ、アレックスさんには糸の収縮などは起こっていないとのことです。

ここまで聞くとNeuralinkの将来性に期待してしまうのですが、同時に物議も醸しています。共同創設者の1人がNeuralinkをやめてすぐThe Wall Street Journalの取材に、イーロン・マスクが在籍している限り安全性に懸念があると語っています。また、同社は動物虐待の疑いで連邦調査を受けましたが、調査で1件の虐待事例が明らかになっています。

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