「修理する権利」の鍵を握るのはマクドナルドのソフトクリーム?

McDonald_softTwist

Photo: Wachiwit / Shutterstock.com

修理する権利。1つのガジェットを長く使えるよう、消費者が修理することを求める権利です。

ここ数年で注目度が高まっており、スマートフォンやパソコンはもちろん、電車の修理においても訴訟が起きるほど。また、公式が交換パーツを販売したり、修理手順を公開したりなど、権利を支援する企業も増えてきています。

米監査機関が意見する「修理する権利」

3月中旬、アメリカ連邦監査機関が、修理にする既存の法律の対象物を見直すべきでは?と、米著作権局に提案する文書を提出しました。

文書の中で、米司法省と連邦取引委員会は「省庁の見解では、修理関連の除外品目を更新、拡大することで、交換部品や修理、メンテナンスサービスの市場において競争力を促進できる」と意見を述べています。

では、この修理関連の除外品目の変更、ひいては修理する権利そのものとマクドナルドのソフトクリームに、一体どんな関係があるのでしょう?

マクドナルドのソフトクリームマシン壊れすぎ問題

実は、アメリカでは、修理する権利問題といえばマクドナルドのソフトクリームマシンが必ずでてくるといっても過言ではないほどメジャーな問題。一般消費者にも深く関係する問題なのです。

マクドナルドの人気商品の1つ、ソフトクリーム。日本のマクドナルドではソフトツイストと呼ばれています。このソフトクリームを作るマシンが、しょっちゅう壊れていて食べられない!というのはアメリカのマクドナルドあるある。

故障の原因は大きなものではなく、修理代300ドル・所要時間15分ほどで解決できるものだそう。それがなぜすぐに修理されないのかというと、修理に関する著作権が原因です。

現状、マクドナルドからライセンスをうけている業者しか、このマシンを修理できないのです。ライセンス業者はマシンを販売するTaylorのみ。結果、修理要請はTaylorに集中するしかないので、修理待ちも長くなると。

食べたいときにソフトクリームが食べられない消費者はもちろん、マクドナルド側にとってもこれは悩みのタネ。マシン故障による1店舗における損失は、1日625ドルにもなるといいます。

連邦監査機関の提案が採用されれば、マクドナルドのソフトクリーム問題が解決するかもしれません。さすれば、消費者にとって身近な問題だけに、修理する権利の注目度がますますあがるだけでなく、権利の対象(=修理に関する著作権の除外品)となる製品も増えていくかもしれません。

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