もはやカメラの「AQUOS R9 Pro」ほぼハイエンドの「AQUOS sense9」、シャープが新スマホ2機種を発表
シャープがスマートフォン「AQUOS」の新モデルを発表しました。ライカ監修のカメラを搭載するフラッグシップモデル「AQUOS R9 Pro」と、幅広いユーザー向けのスタンダードモデル「AQUOS sense9」です。
▲AQUOS R9 Pro ▲AQUOS sense9AQUOS R9 Proは12月上旬発売で、ドコモが取り扱うほか、SIMフリーモデル(19万円台前半)も発売されます。AQUOS sense9は11月7日からドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルなどが順次発売、11月21日にSIMフリーモデル(6GB+128GBモデルが6万円程度、8GB+256GBモデルが6万円台後半)も発売されます。なお、両モデルはグローバルモデルとして開発されていて、台湾、インドネシア、シンガポールでも発売されます。
■カメラだけでなく、基本性能も向上した「AQUOS R9 Pro」
AQUOS R9 Proは、今年7月に発売された「AQUOS R9」の上位モデル。昨年は「R8」と「R8 Pro」が同時に発表されましたが、今年は「R9」だけの発表だったので、「Pro」はないのか? と残念に思っていた人もいるでしょうが、しっかり開発されていました。しかも、前モデルからの進化が著しく、今年のスマホ市場において、カメラ性能ではトップを争う機種となりそうです。
最大の特徴は、言わずもがなライカが監修したカメラ。標準・広角・望遠で構成される「バリオ・ズミクロン」というカメラシステムを搭載。3つのカメラはいずれも約5030万画素。標準カメラ(焦点距離23mm相当/F値1.8)には1/0.98インチの大型センサーを搭載し、暗い場所でも鮮明な画質で撮れることが特徴。広角カメラ(13mm相当/F値2.2)は、122度の広い画角を撮影でき、約2.5cmまで近寄れるマクロ撮影にも対応。望遠カメラ(65mm相当/F値2.6)は光学2.8倍ズームで、デジタルズームを組み合わせて最大20倍ズームでの撮影が可能。スマホの望遠カメラに搭載されるものとしては大きい1/1.56インチのイメージセンサーを採用し、低ノイズで、ポートレート撮影で力を発揮しそうです。
▲ライカが監修するトリプルレンズカメラを搭載 ▲3つのカメラは被写体によって使い分けられる ▲前モデルから「14chスペクトルセンサー」を搭載しているが、アルゴリムを改良し、よりナチュラルで鮮明な色調で写るようになった ▲約2.5cmの距離まで近づいても、ここまでクッキリと撮影できる本体の右側面に、新たにシャッターキーも搭載されました。デジカメで実際に使われているパーツを用いているとのことで、デジカメ同様の操作感を実現。素早くカメラを起動でき、半押しでピントを固定することもできます。
▲デジカメライクにシャッターを切れるボタンが追加されたさらに別売のアタッチメントを装着することで、市販のレンズフィルターを取り付けることも可能。持ち歩きに便利なショルダーストラップ付きの純正ケースも用意されます。もはや “スマホというよりもカメラ” という仕様で、今年5月にシャオミが発売した「Xiaomi 14 Ultra」に対して、真っ向勝負を挑むモデルという印象も受けました。
▲アタッチメントを装着すると、市販のフィルターを取り付けて、写真表現の幅を広げられる ▲クロスフィルターを付けて、キラキラの光源を撮影することも ▲安定して持ち歩けるネックストラップ付きの純正ケースも発売されるAQUOS R9 Proは基本仕様も超ハイスペック。ディスプレイは約6.7インチのPro IGZO OLED(有機EL)で、1〜120Hz(実質240Hz)の可変リフレッシュレートに対応。CPUには最高峰の「Snapdragon 8s Gen 3」を採用し、12GBのRAMを搭載。ストレージも512GBと大容量。5000mAhのバッテリーを搭載しているので、電池持ちにも期待できます。さらに、独自の放熱システムによって、スマホが熱くなるのを防ぎ、スピーカーの改良によって音質向上も図られています。
▲内部に「ベイパーチャンバー」という大きな放熱板を搭載。カメラリングも放熱の役目を果たす。上部のスピーカーBOXをフルメタル化し、音圧を向上させている新しい機能としては、生成AIを用いた「電話アシスタント」を搭載。7月に発売されたAQUOS R9には留守番電話を要約する機能が搭載されましたが、R9 Proでは、それに加えて、通話中に登場したキーワードを抽出し、テキストや画像によるメモが作成される機能も利用できます。
▲AQUOS独自の生成AI機能として「電話アシスタント」を搭載。なお、Googleの「Gemini」アプリもプリインされていて、電源ボタンの長押しで起動できる
■もはや物足りなさを感じない「AQUOS sense9」
AQUOS sense9は、性能と価格を両立するモデルとして人気が高い「AQUOS sense」シリーズの最新モデル。
スマートフォン AQUOSは、今年の夏に発売されたモデルから、デザイナー・三宅一成氏が率いる「miyake design」が本体デザインを監修しています。AQUOS sense9も、発売中のAQUOS R9やAQUOS wish4と同じように、カメラ部に自由曲線を用いたデザインを採用。カラバリは6色展開で、背面パネルとカメラ部の色が異なる “バイカラー” のモデルも用意。アルミを用いた本体は約166gと、軽くて持ちやすいことも魅力。
▲カラバリは6色 ▲シリコン製の純正ケースも6色。本体カラーとの組み合わせで36パターンを楽しめる(下段)。上段はサードパーティ製のケースの例 ▲大きすぎず、小さくもない約6.1インチのディスプレイ。ボディ幅は約73mmに抑えられている ▲従来モデルに引き続き、アルミボディで軽いことも魅力ディスプレイは約6.1インチで、AQUOS senseシリーズでは初めてPro IGZO OLEDを採用。前モデルも有機EL(IGZO OLED)を搭載していましたが、リフレッシュレートが90Hzから120Hzに進化し、1〜120Hz(実質240Hz)の可変リフレッシュレートに対応しました。画面の明るさも約4倍に向上し、場所を選ばす快適に使えそうです。
▲前モデルから輝度が向上。晴れた日の屋外でも見やすくなったアウトカメラは標準(約5030万画素/F値1.9)+広角(約5030万画素/F値2.2)。広角カメラは約2.5cmまで近寄れるマクロ撮影に対応しています。インカメラは約3200万画素で、レンズはF値2.2。前モデルの広角カメラとインカメラは約800万画素だったので、撮影シーンが広がり、セルフィーも今まで以上に高画質で楽しめそうです。
▲広角カメラはセンサーサイズが大きくなり、暗所での撮影にも強くなったCPUはミドルハイ向けの「Snapdragon 7s Gen 2」。RAM 6GB + ROM 128GBとRAM 8GB + ROM 256GBの2モデルが用意されます。バッテリー容量は5000mAhで、標準的な使い方で2日間の電池持ちを見込めます。従来はシングルだった内蔵スピーカーはデュアルに進化。イヤホンを付けなくても、ステレオサウンドを楽しめるようになりました。
▲ステレオピーカーを搭載したことも見逃せないポイント従来モデルの “ちょっと物足りなかった” 部分が解消され、ミドルレンジながら、限りなくハイエンドに近い端末に進化した印象。されど、それを感じさせないカジュアルで品のあるデザインも人気を集めそうです。
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夏に発売したAQUOS R9は、前モデル比で約3倍の売れ行きだそうで、エントリーモデルのAQUOS wish4も売れ筋ランキングの上位に登場しています。新たに2モデルが登場し、例年にも増して強力なラインナップが揃ったという印象です。
▲アジア市場に挑むラインナップが出揃った<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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