仕事を超効率化する「メールボックス」の仕分け法

ずるいメール術

原則、届いたメールは全て保管しましょう。仕事に関係ないメールであっても、削除する必要はありません(写真:ilixe48/PIXTA)
メール本文に気を使っても、メールボックスの管理がおざなりになっている人は少なくはないでしょう。そこを徹底することで周りと差がつきます。本稿は、『なぜか仕事が速い人の ずるいメール術』から一部抜粋・編集のうえ、メールボックスを効率管理するテクニックをご紹介します。

メール削除に潜む罠

・一方的に送られてくる営業メール
・読んでいないメールマガジン
・処理が終わったメール

もしあなたがこのようなメールを定期的に削除しているのなら、ちょっと待った。それは無駄な作業です。

確かに、オフィスの書棚に書類ファイルが1000個あるよりも、100個しかない状態のほうが、管理がしやすいので、仕事の効率は上がりそうです。同じように、メールボックスをきれいな状態にしておくほうが、仕事の効率が上がる、仕事ができる人に見える。そう思うのも当然です。

しかし原則、届いたメールは全て保管しましょう。

仕事に関係ないメールであっても、削除する必要はありません。

なぜなら、メールを消すという作業でも、時間や労力を消費しているからです。

メールを「消すか、消さないか」を判断するのは、簡単ではありません。間違って大切なメールを消してしまったら、とり返しがつかなくなることもあるので、慎重に、時間をかけて考える必要があります。

それだけ時間と労力を使って、いらないメールを削除しても、新しいメールは次々と送られてきます。受信箱の上の方は、すぐに最新のメールでいっぱいになるでしょう。

あなたが削除したメールは過去のものなので、無理に削除しなくても、どっちみちすぐに後ろに追いやられて、視界には入らなくなります。

つまり、削除してもしなくても、状況は同じだったのです。

1通のメールを消す判断をするのに、仮に1秒かかっていたとします。1日50通を削除しているなら、1年間(250日労働)で1万2500秒です。これは時間に直すと、3時間半くらいになります。

ずるい人は「ちりも積もれば山となる」と考え、徹底的に意味のない行動を省きます。

それに、メールのやりとりというのは、コミュニケーションの履歴です。

そのためメールが残っていれば、10年ぶりに会った人でも、履歴をもとに、簡単に関係を再構築することができます。

私のメールボックスには、150万通以上のメールが保管されています。

このメールがあるからこそ、どんなに昔のやりとりでも思い出せます。そのため、誰とでもスムーズなコミュニケーションがとれて、仕事に活かせていると、確信しています。

うっかりさんにおすすめ! メール管理術

届いたメールを全て保管するとなると、次に出てくる問題は、メールの管理についてです。

メールボックスに残っているメールが増えれば増えるほど、その管理は複雑になります。「未読」「既読」だけの管理では必ずうっかりミスが生れるでしょう。

そこでおすすめしたいのが、「フラグ管理」です。

★ずるい人もやっているメール管理術
❶未読
まだ読んでいないメール
(読んで処理を後回しにするなら❷へ。読んで処理
が終わったら❸へ)
❷既読・未処理
フラグのついた未処理メール
(処理が終わったら❸へ)
❸既読
読んで処理が終わったメール

このように、メール管理にフラグを使うことで、従来の「未読」「既読」だけの管理に加えて「既読・未処理」の管理ができるようになります。

もう1つのメリットは未読メールをゼロにできること

なぜか仕事が速い人の ずるいメール術 入社3年目までに差がつく「ビジネスメールの正しい使い方・考え方」

そのため、次から次へと届く新規の未読メールに未処理メールが埋もれてしまったり、一度は読んだけどまだ処理をしていなかったメールを、既読から未読に変更し忘れていたといったミスを防ぐことができます。

またフラグでメール管理をすることで得られるメリットはもう1つあります。

それは、未読メールをゼロにできることです。

未読の件数は、よくも悪くも、メール画面に表示されます。気にしないようにしていても、件数が多ければ、やっぱり気になってしまうのが人間です。

「未読」「既読」で管理をしている限り、この数をゼロにするのは、難しいでしょう。

しかし、フラグを使えば、処理できなかったメールは「既読・未処理」として扱われるので「未読」をゼロにできます。

視覚的にメール画面がすっきりするだけで、仕事へのモチベーションは高まります。

(平野 友朗 : 日本ビジネスメール協会代表理事、アイ・コミュニケーション代表取締役)

ジャンルで探す