RING氏に聞く株式投資に役立つ情報収集のコツ

『株の道場 乱高下でも勝てる株』特集バナー

『週刊東洋経済』の最新号から、投資に役立つコンテンツを抜粋してお届けする
“真夏の悪夢”になりかけた株式市場だったが、立ち直りは早かった。日本株の先高期待が途絶えていないならば今は絶好の機会。『会社四季報』秋号の先取り情報で有望銘柄を探そう。『週刊東洋経済』9月14日号の第1特集は「株の道場 乱高下でも勝てる株」だ。

週刊東洋経済 2024年9/14号(株の道場 乱高下でも勝てる株)[雑誌]

X(旧ツイッター)で株式市場に影響しそうなニュースや企業動向を日々発信し、20万人超のフォロワーを集める個人投資家のRING氏(@xRINGx)。メディアに登場することの少ない同氏に今回、株式投資に役立つ情報収集のコツや自身の投資スタイルなどを聞く機会を得た。

──Xでは毎日数多くのコメントを発信しています。主な情報源を教えてください。

まずは2010年から使い続けているXです。私自身も発信していますが、フォローしている投資家やニュースアカウントを参考にしています。金融政策や国内外の経済指標などもニュースアカウントから収集することが多々あります。1次的な情報をXで収集して、それを基に改めて自分で調べることが非常に多いです。

企業の開示情報については、東京証券取引所の TDnet(適時開示情報伝達システム)で開示される決算短信などで確認しています。

「世界の株価」で各国の動きを把握

──情報収集で積極的に活用されているサイトやツールはありますか?

各国の株価や商品、為替市場などの動きを把握するため「世界の株価」を見ています。ツールではauカブコム証券の「kabuステーション」を利用しているほか、企業業績の市場予想を確認するために「QUICKリサーチネット」なども利用しています。

取引時間中に複数銘柄の騰落や売買状況を確認するためにネット証券会社の「BRiSK」機能を起動しています。値動きのある銘柄を確認するために「ネットストック・ハイスピード」のランキングなども使っています。

──『会社四季報』など四季報関連媒体は?

四季報情報は確認しています。以前は雑誌を購入していましたが、今は検索ができるので「会社四季報オンライン」を利用しています。

『会社四季報 業界地図』も毎年最新版を購入していますし、『会社四季報プロ500』も毎号確認しています。気になった銘柄は直近の業績やチャートを確認したり、知らない銘柄であれば業態や事業性などをチェックしたりしています。その結果、投資するに至った銘柄も数多くあります。

当初はデイトレードが中心

──投資はどのようなスタイルですか?

当初はデイトレードが中心でした。この時代があったから今も専業で投資生活ができているといえます。保有株を翌日に持ち越すリスクを重視し、株式市場に入れている資金は時間が短ければ短いほどリスクが抑えられるという考えからでした。利益確定やロスカットを繰り返していたので、中長期においてもそれらの経験からロスカットなどをためらわずにできていると思います。

現在も試行錯誤しながらの投資ですが、中長期方針の銘柄を保有しつつ、短期売買も続けています。信用取引も使っており、株価が上がりすぎていると感じたり業績が悪化するなどした銘柄はカラ売りすることもあります。ヘッジ目的で株価指数先物をショート(売り)するなど、極力リスクを抑えながら、日々投資しています。

RING(りんぐ)/大手電機会社やIT関連企業でシステム開発などに従事した後、2003年から専業投資家。X(旧ツイッター)歴は14年(画像:RING)

──株式投資の醍醐味とは?

Xを含むさまざまなメディアから上場企業の情報を収集する過程で、それらの製品やサービスについて新たな発見が多いことです。こうした知識を積み重ねることで、次の投資にも生かすことができます。

また、日本の新しい政策についても知ることが多く、今後の経済の方向性も見えてきます。さまざまな情報を基に投資した結果、投資した企業の株価が期待どおりに動いたとき、その成果を実感することができるのも大きな魅力です。

(構成:山本直樹)

(山本 直樹 : 東洋経済 記者)

ジャンルで探す